臨床薬理の進歩 No.41
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( reta fonoitcarFgniniameR)%W 00結  果消化管内薬物濃度を算出し、さらに緩衝液でループ内薬液の全量を回収してメスアップすることで消化管内薬物量を算出した。最終的に、これらのデータを基にして消化管内水分量を算出した。細胞培養 Caco-2細胞はAmerican Type Culture Collection(ATCC)より購入した。細胞を、6.4×104 cells/0.8 mL/insertの濃度でFalcon™ cell culture inserts(BD Biosciences, Franklin Lakes, NJ)に播種し、37 ℃、5%CO2の条件下、basic culture medium(BCM; DMEM supplemented with 10%FBS, 1% L-glutamine, 1%NEAA, 0.5%PSA)により培養した。播種後5日目にBCM交換を行い、以降のBCM交換は隔日に行った。21日目の単層膜を用いて各種実験を行った。In vitro膜透過実験および取り込み実験 Apical(AP)およびbasal(BL)側の培養液を除去し、AP側にtransport buffer(TM; Hank's balanced salt solution(HBSS)and 10 mM HEPES, pH 6.5)を0.8 mL、BL側にTM(pH 7.4)を2.0 mL加え、20分のプレインキュベーションを行った。その後、AP側に薬液を加えることで膜透過実験を開始した。全ての操作を37 ℃条件下で行い、30、60、90、120分後にBL側からサンプリングした(200 μL)。In vitro取り込み実験と細胞内タンパク非結合率の算出 Apical(AP)およびbasal(BL)側の培養液を除去し、APおよびにBL側にTMをそれぞれ0.8 mLおよび2.0 mL加え、20分のプレインキュベーションを行った。その後、APおよびにBL側に薬液(20 μM Talinolol, pH 7.4)を加えることで取り込み実験を開始した。全ての操作を4 ℃条件下および2 μM Elacridar(P-gp阻害剤)存在下で行い、60、120、180、240分後にAPおよびBL側からそれぞれサンプリング(30 μL)した後、直ちにice cold TMでwashし、1N NaOHにより細胞を溶解、回収した。薬物の定量法 In situ closed loop実験より得られたサンプルの定量は、fluorescence reader(VarioskanTM Flash 2.4; Thermo Fisher Scientific Inc., Kanagawa, Japan)を用いた蛍光強度の測定、および高速液体クロマトグラフィー(LC-20AD high-performance liquid chromatography system(Shimadzu Co., Kyoto, Japan))とタンデム質量分析計(MDS-Sciex API 3200™ triple quadrupole mass spectrometer(Applied Biosystems, Foster City, CA))を接続した液体クロマトグラフィータンデム質量分析装置(liquid chromatography–tandem mass spectrometry(LC-MS/MS)system)を用いた質量測定により行った。薬物動態解析 薬物動態解析を目的とするモデリング、シミュレーション、パラメータ計算および数値解析には、薬物動態解析プログラムNapp(Numeric Analysis Program for Pharmacokinetics)および非線形最小二乗法プログラムMULTIを用いた。消化管内水分量の経時的変化とその部位差に関する検討 非吸収性マーカーであるFD-4を用い、ラット消化管内水分量の経時的変化に関する検討を試みた図1 ラット消化管内水分量の経時的変化とその部位差Data are shown as means ± SEM(n = 4).(文献10より改変)。90JejunumIleumColon6080Time (min)100120120100806040202040140

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