臨床薬理の進歩 No.41
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方  法一方で、薬物代謝酵素のフラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)は様々な薬物を基質として機能するが、VRCZもその基質であることが非臨床試験により報告されている6)。また、これまでの報告ではFMO3において遺伝子多型が代謝活性を変化させることについても一部明らかとなっている7)。しかし、ヒトにおけるVRCZとVNOの関係性についてFMO3の遺伝子多型まで含めた評価は行われていない。 VNOについては前述の通り、薬物動態的な特徴が十分に分かっていないことに加え、抗真菌活性をほとんど有さないことから、ヒトにおける有害反応面の薬力学的な臨床評価は報告が少ない。近年、VRCZの有害反応の一つである光線過敏症や皮膚癌発症などの皮膚への有害反応については、細胞内に移行したVRCZがVNOへと代謝され、紫外線(UV)のUVBを吸収し励起状態となり、フリーラジカルを発生させることで引き起こされている可能性について報告されている8)。しかし、VNOについて臨床研究からアプローチして有害反応との関係性について明らかとはされてはいない。 本研究では、臨床研究においてNオキシド化経路への影響因子を探索し、有害反応との関連性まで評価する。最終的に、VNOを有害反応予測の指標とする可能性について検討することを目的とする。人権の保護と法令等の遵守 本研究のヒトを対象とした臨床研究は、浜松医科大学の「臨床研究倫理委員会」の承認を受けて実施した。有機溶剤の使用に関しては、有機溶剤作業主任者の指導の下で実施した。本研究のヒトを対象としたすべての試験は、ヘルシンキ宣言の精神を遵守し、厚生労働省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い実施した。本研究の診療録および処方箋調査は、厚生労働省の「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」に留意した。対象患者には、易感染性患者におけるVRCZのNオキシド化代謝経路に着目した薬物動態・薬力学的評価本研究の実施計画、研究の意義、考えられる有害反応および試験への参加中止の自由などについて、口頭および文書で説明した後、自由意思に基づく参加への同意(インフォームドコンセント)を文書で得た。対象患者と試験プロトコール 本研究は浜松医科大学医学部附属病院において、VRCZを治療或いは予防的に投与された患者65名を対象とした。患者は1回100-300 mgのVRCZ(ブイフェンド®錠、ファイザー㈱、東京)を1日2回、5日間以上内服していた。患者の除外基準を以下に示す:(1)16歳未満の患者、(2)CYP2C19やCYP3A4を介した強い相互作用を有する薬剤(リファンピシン、リトナビル、カルバマゼピン、長時間作用型バルビツール酸誘導体、マクロライド系抗菌薬)併用患者、(3)腎機能低下(血清クレアチン値 >2.0 mg/dL)または透析患者、(4)肝機能低下(血清総ビリルビン値 >2.0 mg/dL)患者、(5)慢性活動性炎症疾患(C反応性蛋白(CRP)>5.0 mg/dL)患者、(6)骨髄移植患者、(7)服薬コンプライアンス不良患者。採血はVRCZ投与開始から5日以上経過した投与直前に行った。血中VRCZとVNO濃度の測定 試薬標準物質としてVRCZとVNOはいずれもトロントリサーチケミカルス㈱(トロント、オンタリオ、カナダ)から購入した。血中VRCZとVNO濃度測定は、当施設で確立した速液体クロマトグラフィー(HPLC)-UV法より行った9)。FMO3とCYP2C19の遺伝子型判定 DNAはDNAエキストラクター®WBキット(富士フイルム和光純薬㈱、大阪)を用いて血液検体より抽出した。FMO3の遺伝子多型(E158 K、V257M、E308G)およびCYP2C19の遺伝子多型(エクソン4と5上のG636AとG681A)はポリメラーゼ連鎖反応−制限酵素断片長多型(PCR-RFLP)により判定を行った。CYP2C19はCYP2C19*2または109

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