結 果考 察謝 辞精製した。ウエスタンブロット、リアルタイムRT-PCRを用いてメガリン蛋白ならびにメガリンmRNAを評価した。実験はn=6で行い、対応のないt検定で評価した。1)RECOVERY試験 本臨床試験における被験者は51名で、平均年齢は62歳であり、男性が32名であった。2名が有害反応のため脱落したが、6か月後、HbA1cは7.6±1.2%から7.1±1.0%に、BMIも27.9±5.1から26.9±5.2に減少した。現在、メガリンを含む尿中バイオマーカーの推移について解析を行っている。2)動物実験 ダパグリフロジン、エンバグリフロジンを投与されたマウスでは尿中の糖排泄増加を認めたが血糖値に差は認められなかった。免疫組織化学染色では近位尿細管におけるメガリンの染色性が低下していることが確認された。またウエスタンブロットにおいて、メガリンの蛋白がvehicle群と比較して低下していることが認められた。リアルタイムRT-PCRにおいてもメガリンmRNAがvehicle群と比較して低下していることが確認された。ダパグリフロジンを添加されたIRPTCではメガリン蛋白の低下が認められ、mRNAの低下も認められた。 多くの研究では、SGLT2阻害薬を投与されることにより尿中メガリンリガンドの1つであるアルブミン排泄は減少すると報告されている12)。しかし、別の報告では、SGLT2阻害薬を投与されて24週後では、ベースラインの尿中アルブミン、β2-ミクログロブリン、NAG排泄が少ない症例では、逆に投与後にこれらメガリンリガンドの排泄が増加するという報告もある13)。このことは、今回の我々の報告と同じく、SGLT2阻害薬によりPTEC膜上のメガリン発現あるいは機能が抑制されることによる尿中排泄増加作用によると考えられる。このことが、尿中メガリンリガンドの排泄増加に関与していると考えられ、今後の検討が求められる。 本研究の遂行にあたり、研究助成を賜りました公益財団法人臨床薬理研究振興財団に心より感謝申し上げます。また、ヒトSGLT2導入のためプラスミドをご供与いただきました、金井好克教授(大阪大学大学院医学系研究科、生体システム薬理学)に厚く御礼申し上げます。 現在、上記の結果について、特許出願と英語論文を準備中であり、本報告書にその詳細を記載できないことをお断り致します。152
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