おわりにが重要なのかを調べることでより詳細なメカニズムが解明されることが期待できます。さらにインテグリンは細胞外から細胞内へのシグナル(Outside-in Signal)伝達機能を持ちますので、CWHM12の投与により肝星細胞内でのシグナル伝達経路に何らかの変化をもたらす可能性があります。これらの点については今後さらに研究をすすめることで、NASHにおける線維化治療薬の創薬へと繋げていきたいと考えています。なお本研究内容は2017年の米国肝臓病学会主催 The Liver MeetingでPresidential Poster of Distinctionに選出され、 Hepatology communicationsに論文が掲載(Ulmasov B, Noritake H, et al. Hepatol Commun 2019; 3: 246-61)されていますので、ご興味ある方はご覧頂ければ幸甚です。 今回の留学によって得られた経験は、私の人生において間違いなく何物にも代えがたい貴重な経験となりました。これも臨床薬理研究振興財団のご支援のお陰であることは言うに及びませんが、そこに至るまでに本学肝臓内科の小林良正先生や薬理学教室教授の梅村和夫先生、さらに臨床薬理研究振興財団へ快くご推薦頂いた薬理学教室名誉教授 故 中島光好先生の格別なるご厚情を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。また極めて多忙の中合間を縫って、英語も拙い私の留学受入準備から生活のセットアップ、研究の指導、臨床の見学まで何から何までお世話いただいたDr. Brent Tetriをはじめ、ラボの仲間や同じ時期にセントルイスで留学生活を送った縁で繋った友人たち、日本から快く送り出してくれた職場の同僚や両親には感謝の念に堪えません。そして私の一番近くでどんな時も笑顔で支えてくれた妻と訳もわからず生後6ヶ月で渡米してアメリカで立派に成長した息子に心から感謝します。162
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