臨床薬理の進歩 No.41
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210.9341.51.52222224113222表1 In vitroチェッカーボードMICによる測定結果と算出FIC indexMIC(μg/mL)BDQ0.030.030.00120.030.00120.00120.1250.06250.0625Strain 1Strain 2Strain 3Strain 4Strain 6Strain 7Strain 8Strain 9Strain 10Ave.±SDRangeBDQ/CAMBDQ/DOXY1.51.50.3751.5121111.21±0.40.375-2.0FIC index ≦0.5;相乗効果、0.5〜4;不関、4<;拮抗作用0.92±0.360.363-1.5FIC indexBDQ/TGC1.030.81.50.3630.750.6251.50.6912.11±0.691.5-4BDQ/AMKBDQ/MINO1.0630.750.5311.0030.150.250.060.5310.6250.6±0.360.06-1.0631.83±0.530.531-3.0Ex vivo CFU試験による細胞内での有効性評価の方法 In vitroチェッカーボードMICのうち優位な相乗効果を示すには至らなかったものの、比較的低いFIC indexを示したAMKとDOXY、RuthらがTime Kill Kinetics Assayにおいて相乗効果があったと報告しているCLFに関して、マクロファージ内の菌体に対する有効性を評価するため、マクロファージ系細胞を使用したex vivoでのBDQ併用相乗効果試験を実施した9)。 感染させる細胞にはヒト急性単球性白血病由来THP-1細胞株(RIKEN BRC)を使用した。また、感染させる菌株については、その完全ゲノム配列が決定されており、且つ我々が実施した予備的な検討においてマクロファージ分化THP-1細胞内で菌数が維持されることを確認した臨床由来株M. avium subsp. homminisuis TH-135株を選択した11)。 THP-1細胞は10%ウシ胎児血清とアンピシリンを添加したRPMI 1640培地(Gibco)内で継代維持した。継代した細胞は感染試験開始72時間前にphorbol 12-myristate 13-acetate(PMA)を添加(最終濃度10 ng/mL)することにより、マクロファージに分化させた。感染試験に用いる細胞は、6ウェル細胞培養プレート上で1×106cells/well細胞数を使用することとした。M. avium TH135株は10% OADCと0.05% Tween 80(Sigma-Aldrich)を添加したMiddlebrook 7H9液体培地内で対数増殖期に達するまで培養したのち、感染試験に用いた。予備的な検討に基づき多重感染度(multiplicity of infection;m.o.i)は0.1とし、感染時間は24時間とした。感染後、細胞外の菌を除去するため高濃度のAMK(200 μg/mL)を添加したRPMI 1640培地で2時間洗浄したのち、37 ℃に温めたリン酸緩衝液で更に複数回洗浄した。その後、それぞれの薬剤を添加した10% FBS添加RPMI 1640培地(アンピシリン非添加)に交換し37 ℃、5%CO2条件下で培養した。BDQ、AMK、DOXYの薬剤濃度はそれぞれ0.03125 μg/mL、16 μg/mL、16 μg/mLとした。 培養開始から24時間後に薬剤非添加コントロールウェル、72時間後に薬剤非添加コントロールウェルと各薬剤添加ウェルから細胞を回収した。 細胞回収時には、37 ℃に温めたリン酸緩衝液で複数回洗浄したのち、0.5% Triton X (Sigma -Aldrich)添加PBSでマクロファージ分化THP-1細胞を溶解した。細胞溶解液は0.05% Tween 20(Sigma-Aldrich)を添加し低温に維持したPBSで段階希釈したのち、10% OADCを添加したMiddlebrook 7H10(Becton, Dickinson and Company)寒天培地上に塗布し、37 ℃で培養し、2週間後にプレート上に発育した菌数をカウント

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