臨床薬理の進歩 No.41
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結  果2.被験者 被験者はポスター掲示により一般公募した。被験者の選択基準は以下のとおり。ア)同意取得時の年齢が20歳以上の日本人男性(女性は妊娠可能性があるため除外)。イ)現在治療中の疾患がなく、常用内服薬がない個人で、既往歴に再燃や増悪の可能性がある疾患がないこと。ウ)試験登録から試験終了までの間に、定められた外来受診が可能と見込まれる個人。3.豚鞭虫卵製剤 本試験では、タイ国のTanawisa社から輸入したTSO製剤(TSO 1000、TSO 2500、TSO 7500)を使用した。TSO製剤の国内輸入に関しては、農林水産省および関東信越厚生局の承認を得て研究用に輸入した。 それぞれの製剤は、1000個、2500個、7500個のTSOを含む。TSOは、豚鞭虫に感染したSPF豚から回収された。集卵後に洗浄されたTSOは、殺菌後にリン酸緩衝生理食塩水(緩衝液)により濃度調整された。製剤は、1バイアルあたり15 mLの緩衝液と、規定数のTSOを含み、茶褐色のガラス製容器に梱包された。プラセボには、TSO製剤と同様の容器に15 mLの緩衝液を含む製品を用いた。4.診察・血液検査・鞭虫卵検査 被験者は、TSO製剤またはプラセボの内服前と、内服後7、14、28、56日目に計5回の診察を受けた。診察では、バイタルサイン、体重測定、身体診察を実施した。受診時には血液検査が行われ、東京慈恵会医科大学附属病院の中央検査部にて、血球数算定と生化学検査が実施された。鞭虫卵検査は、試験登録時、TSO製剤またはプラセボ内服28日後、および56日後に実施した。被験者は、糞便採取キットMini Parasep®(APACOR)を用いて、原則受診日当日に各自で採取した便を持参した。回収した糞便は、採取キットのマニュアルに従い攪拌、遠心分離を行い、沈渣を検鏡した。検鏡は、被験者の診察に関わらない担当者が実施した。また、確認目的に外部検査業者にも糞便の検鏡を委託した。5.自覚症状のアンケート調査 外来を担当した医師は、被験者に調査票への記入を依頼した。調査票は外来受診の度に配布された。被験者は、外来受診前に経験した自覚症状について回答した。回答方法は多肢選択式とし、以下の項目について計10個の質問を設けた。A)受診までに経験した下痢の回数(1日あたり)と、その持続期間について、B)受診までに経験した腹痛の程度と、その持続期間について、C)受診までに経験した腹部膨満感の程度と、その持続期間について、D)受診までに経験した嘔気の程度と、その持続期間について、E)受診までに経験した嘔吐の回数(1日あたり)と、その期間について。調査票は外来受診後に回収され、情報の集積後に解析を実施した。6.統計解析 統計学的解析にはR version 3.3.3.を用いた。連続変数の評価にはMann-Whitney U testを用い、カテゴリカル変数についてはChi-squared testまたはFisher’s exact testを用いた。有意水準は両側検定で5%未満とした。7.倫理について 本研究はヘルシンキ宣言とGood Clinical Practiceガイドラインに基づき計画、実施された。当研究は東京慈恵会医科大学倫理委員会と臨床研究審査委員会の承認を受けて実施した(R000032283)。 試験には12例の健康成人が参加し、1例を除き全員が予定していた診察と検査を受けた(TSO 7500群の1例は内服14日後の血液検査が未受検であった)。プラセボ群の3例の平均年齢は37.0歳(±6.68 SD)であり、TSO群の9例は34.2歳(±6.23 34

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