臨床薬理の進歩 No.41
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 現在、世界各国で新型コロナウイルスが猛威をふるっています。この度の感染症の拡大は、人類にとって大きな試練であります。このような状況の中で、新型コロナウイルス対策に日夜、最前線で働かれている医療従事者の皆様に深く敬意を表します。それを支えておられる多くの関係者およびエッセンシャルワーカーの皆様のご努力に深く感謝の意を表します。 新型コロナウイルスの感染症を巡り、治療法の開発が加速しております。ワクチン製剤などの開発に加えて、ウイルスの増殖や呼吸機能の障害を抑制する既存薬の探索など、患者を対象に薬効評価試験が実施され、有効性が確認されつつあります。また、迅速検査キットの開発も進んでおります。治療法開発が急務の状況下、臨床薬理学の役割は必須と言えます。こうした中で、臨床薬理研究振興財団は、わが国における臨床薬理学の振興を目的として研究助成をおこなっております。 本誌には、平成29年度研究奨励金による研究報告が18編掲載されております。18編の研究分野は多岐にわたり治療法開発や個別化医療の発展に貢献するものでした。特に、5編の大賞受賞研究は先端的な臨床薬理学研究と言えるものであり、海外留学助成金による2編の報告は、いずれも臨床薬理学研究のグローバル化の推進に貢献するものでした。最後に、編集作業を通して、本助成が、研究者の大きな励みとなり臨床薬理学のイノベーションに貢献していることを改めて実感することができました。是非、ご一読いただき、今後の研究の参考にしていただけると幸いです。2020年4月大戸 茂弘ま え が き

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