臨床薬理の進歩 No.41
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間比較試験(UMIN000023778)を行った。登録時にA群(従来型治療群)とB群(タダラフィル治療群)の2群へランダムに割付を行った。主要エンドポイントはプロトコール治療開始後から出生までの胎児発育速度(g/日)、副次エンドポイントは治療完遂率、治療効果、安全性とし、非盲検で評価した。 主な選択基準は、①20歳以上、②FGR(胎児体重基準値の−1.5SD以下)を満たしている、③妊娠20週以降34週未満、④「産婦人科 診療ガイドライン-産科編 2014」に沿って、分娩予定日を決定されている、⑤単胎妊娠、⑥試験参加について、本人(母体)から文書で同意が得られている、とした。対象患者が適格規準をすべて満たし、除外規準のいずれにも該当しないことを確認後、Web上の「臨床試験データ管理システム」で登録を行った。登録が終了すると、「臨床試験データ管理システム」より登録番号が発行され、登録時のランダム割付に際しては、①妊娠週数(<28週 or ≧28週)、②施設で大きな偏りが生じないようにこれを調整因子とる最小化法を用いた。目標症例数は、症例対照研究、第Ⅰ相試験の胎児発育速度から、有意水準両側5%、検出力90%として、タダラフィル治療群70例、従来型治療群70例と設定した。2)治療法 第Ⅰ相試験による有害事象と症例対照研究から、タダラフィルの投与量は20 mg/日とした。A群は「産婦人科 診療ガイドライン-産科編 2014」に沿って、従来型の治療を行った。B群はタダラフィル20 mg/日の内服を分娩まで行った。分娩決定については、基準を設け、胎児超音波検査、超音波ドプラ検査、胎児心拍数モニタリング検査を行い、新生児臨床研究ネットワーク(NRN)データベース(n=5855。2003-2007年)より作成したNICU生存退院率および妊娠の継続と中断に関する判断基準に基づいて行った。3)検査項目 登録時には、妊娠週数、被験者背景、合併症・既往歴、血圧・脈拍、血液学的検査、血液生化学的検査、凝固能検査、尿検査、母体血清P1GFおよびsFlt-1測定を行った。薬剤投与後、タダラフィル、FGR病態の状態の把握のため、適宜、血圧・脈拍、血液学的検査、血液生化学的検査、凝固能検査、尿検査、母体血清P1GFおよびsFlt-1測定を行った。また、有害事象の確認のため、母体は、自覚症状(頭痛、食欲不振、皮膚潮紅、めまい、筋肉痛、関節痛、呼吸困難など)を確認した。母児の子宮胎盤血流の評価を行うため、経腹超音波検査にて、臍帯動脈、中大脳動脈、臍帯静脈、静脈管、子宮動脈波形を計測した。児においては、新生児所見および合併症を確認した。4)統計解析 データは中央値(4分位範囲)または平均値±標準偏差で示した。少なくとも1回以上の治療を受けた症例は、Full Analysis Set(FAS)とし、1週間以上プロトコール治療が行われた症例、研究実施計画書から逸脱のない症例をPer Protocol Set (PPS)と定義した。 対応のないt検定、Wilcoxonの順位和検定による群間比較、統計処理にはSAS version 9.4 (SAS Institute)を用いた。P<0.05の場合に統計的に有意差ありと判断した。基礎研究:NO合成酵素阻害剤L-NAME母獣投与によるFGRモデルマウスを用いた、タダラフィル治療の仔の神経学的長期予後に及ぼす影響の評価1) 実験プロトロール 本研究は、三重大学動物実験審査により承認を受け実施した。 NO合成酵素阻害薬のL-NG-nitroarginine methyl ester(L-NAME)を母獣に投与することにより、HDPを伴うFGRモデルマウス(L-NAME誘導モデル)とし本研究に用いた。妊娠9日目のC57BL/6マウスを搬入し、マウスにおいて子宮胎盤循環が確立する妊娠11日目に0.5%カルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose:CMC)を経口投与する群(コントロール群)と、0.5%CMCに1 mg/mL L-NAMEを溶解し経口投与52

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