)05I( C性受感ブニチルメシオ対象と方法図3 AXL発現量とEGFR-TKI感受性(IC50値)AXL高発現群(n=6)、AXL低発現群(n=3)。Mean ± SD. Mann-Whitney U test.肺がん薬剤抵抗性に関わる新規コンパニオン診断法の開発はMTT assay法(72時間薬剤曝露)にて評価を行い、DT細胞のAXL阻害効果について検証した。今回使用したAXL阻害薬ONO-7475は選択性に優れたチロシンキナーゼ阻害薬で、FLT3変異陽性の急性骨髄性白血病や他の固形がんを対象にした第Ⅰ相試験が進行中の治療薬である。前述のように作製したDT細胞を用いて、15日間の薬剤長期曝露(オシメルチニブ300 nmol/L、ダコミチニブ10 nmol/L、AXL阻害薬ONO-7475 1 µmol/Lを用いて単剤または併用治療)した後、crystal violetにて細胞染色を行い、残余した生細胞数を可視的に評価した。研究2. 非臨床:EGFR変異陽性肺がん腫瘍の異種移植マウスモデルを用いたAXL阻害薬の至適介入時期の検討 EGFR変異陽性肺がん細胞PC-9およびPC-9KGR(PC-9細胞からin vitroにて作製したEGFR2次耐性変異T790Mを伴うゲフィチニブ獲得耐性細胞)を免疫不全マウスの皮下に接種し、200 mm3以上の皮下腫瘍の形成を確認した後、EGFR阻害薬(オシメルチニブ 5 mg/kg/day、連日経口投与)、AXL阻害薬(ONO-7475 10 mg/kg/day、連日経口投与)の単剤もしくは併用治療の抗腫瘍効果について検討した。さらに併用治療については、1)初期からの併用治療、 2)オシメルチニブ獲得耐性後の併用治療を行い、AXL阻害薬の至適介入時期について検証した。抗腫瘍効果および毒性の評価のため、腫瘍体積、マウス体重および表現型について2回/週の頻度で経時的に評価した。研究3. 臨床:EGFR変異陽性肺がん患者を対象とした腫瘍内AXL発現量とオシメルチニブ治療効果の検討 進行・再発EGFR変異陽性肺がん患者を対象とした国内14施設での多施設共同前向き観察研究(EGFR変異陽性肺がんのオシメルチニブ感受性規定因子を明らかにする前向き観察研究)を行い、第三世代EGFR阻害薬であるオシメルチニブ治療効果の予測因子として腫瘍内AXL発現量の臨床9595AXL高発現 が示されている3~5)。 本研究では、肺がんの初回治療導入時に生じるAXLシグナル活性化による治療抵抗性機構に着目し、コンパニオン診断法の開発を通じて、将来的な臨床試験の基盤に発展させることを目的とした。本研究で得られた研究成果は、EGFR変異陽性肺がんの治療選択の際に新規コンパニオン診断法として臨床還元する可能性がある。したがって、次世代のEGFR変異陽性肺がん治療を考慮する上で、本研究は極めて重要な成果に発展することが期待される。研究1. 非臨床:EGFR阻害薬に対する治療抵抗性細胞のin vitro機構解明に関する検討 既報の治療抵抗性細胞の作製方法6)に倣い、ヒトEGFR変異陽性肺がん細胞株(PC-9、HCC4011)を高濃度EGFR阻害薬オシメルチニブ(3 µmol/L)またはダコミチニブ(1 µmol/L)にて長期間持続曝露(9日間)を行い、生存した細胞集団を治療抵抗性細胞(Drug tolerant cell;DT細胞)と定義し、その分子生物学的解析を行った。AXL蛋白発現量についてはWestern blotting法、オシメルチニブまたはダコミチニブによる細胞増殖抑制能についてAXL低発現 p=0.024
元のページ ../index.html#109