臨床薬理の進歩 No.42
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0*0*0*25020015010050mockSoraT-01T-01+Sora800700600500400300200100mockSora70605040302010T-01T-01+SoramockSoraT-01T-01+Sora(a) AFP (ng/mL)(b) AST (IU/L)(c) ALT (IU/L)謝  辞利益相反PLC/PRF/5およびHepG2)をヌードマウスに(皮下、同所および腹膜播種)移植したモデルにおける直接的な抗腫瘍効果ならびにマウス肝癌株Hepa1-6をC57BL/6マウスの両側側腹部皮下に移植したモデルにおける抗腫瘍免疫を介した高い抗腫瘍効果を検討し、第三世代がん治療用遺伝子組換えHSV-1の肝癌への有用性を評価した8)。本研究では更なる治療効果の向上を目的として、「武装化」遺伝子組換えHSV-1の肝細胞癌に対する抗腫瘍効果の検討を行うと同時に、切除不能肝細胞癌に対して臨床使用される分子標的薬sorafenibとT-01との併用効果を検討した。T-mfIL12およびT-B7-1は、基礎となるT-01と比べ、格段に増強した抗腫瘍効果を示した。今後、T-mfIL12および T-B7-1による特異的抗腫瘍免疫効果は、ELISpot assayや腫瘍の病理学的検討を用いて詳細に検討する。また併用効果の検討については、sorafenibの血管新生阻害効果とウイルスの抗腫瘍効果のメカニズムに焦点を当てて詳細に検討していく。 ウイルスゲノム解明や遺伝子組換え技術の進歩により病原性が制御され、抗腫瘍免疫における重要性が近年認識されてきたサイトカイン発現の図9 ラット血液中のαフェトプロテイン(AFP)ならびに肝機能酵素(ASTおよびALT)の検討HuH-7による側腹部皮下腫瘍移植モデル(雄性BALB/cヌードマウス)に対する、28日間のT-01およびsorafenib(Sora(4 - 8 μM))による治療終了後に採血を行い、AFPならびに肝機能酵素(ASTおよびALT)の測定を行った(n = 8、mean ± SEM)。検定はunpaired t-testを行った(*: p<0.05 vs mock)。遺伝子を用いた新たな増殖型治療ベクター開発は、抗腫瘍効果の向上の面において意義が大きく、現在注目されている研究である11)。抗腫瘍免疫を介して抗腫瘍効果を増強する機能付加型の「武装化」遺伝子組換えHSV-1は、肝細胞癌に対し有効な新規治療法になりうることが示唆された。十分な基礎的データを収集することにより、肝細胞癌をも根治可能にする、革新的かつ実用的な新規治療の開発研究を推進し、社会的に貢献したいと考える。 本研究を遂行するにあたり、研究助成を賜りました公益財団法人臨床薬理研究振興財団に心より感謝申し上げます。またウイルスの御提供ならびに御指導いただきました東京大学 医科学研究所 先端医療研究センター 先端がん治療分野 藤堂具紀 教授に深く感謝いたします。 開示すべき利益相反はない。18

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