臨床薬理の進歩 No.42
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)0283=n( setis gndnb D5MDKであった(図3b)。これらの結果を細胞株にて証明するためにMCM10遺伝子(DNA-replication pathway)とNUF2遺伝子(Mitotic_M_M_G1_Phases pathway)でのvalidationをおこなった。LNCaP細胞ではKDM5Dノックダウンにより両遺伝子でプロモーター領域のH3K4me3シグナルの増強がみられ、mRNA発現レベル上昇がみられること、LNCaP-104R2細胞においてはKDM5Dノックインにより逆の作用がみられていることが確認された(図3c)。これらの結果により、KDM5D欠失によりプロモーター領域でのH3K4me3シグナル増強がみられ、細胞周期調節にかかわる転写因子群の作用が強くなる、特にそのアウトプットとして、DNA複製と細胞分裂シグナルが強く導入されることが示唆された。Rank図2 LNCaP細胞でのKDM5D ChIP-seqの解析a: ChIP-seqでのKDM5D binding siteのサマリー、b: KDM5D、H3K4me3、 K3K4me2、H3K4me1のピークシグナルのヒートマップ、c: KDM5D ChIP-seqのモチーフ解析。 DNA複製と細胞分裂シグナルは細胞周期においてタイトに調整されている。本研究成果から、KDM5D欠失によりこの調整のdysregulationが起こることにより、DNA複製ストレスが発生し得ることが示唆される。また、これらのストレスを持つ腫瘍サブセットは特に悪性度が高く予後が悪い可能性があることも報告されている3)。このため、KDM5DノックダウンがDNA複製ストレス発生に寄与しているかを明らかにするために、種々のDNA複製ストレスマーカー(Phosphorylated Replication Protein A2: P-RPA2)、DNAダメージマーカー(H2AX: a DNA-damage marker)による免疫蛍光染色をおこなった。細胞周期解析では、KDM5Dノックダウンにより明らかにS phaseが増加しており、DNA複製ストレス発生MatchedMotifgeneE2F7Promoter (<1kb) (57.59%)Promoter (1-2kb) (2.64%)5' UTR (0.1%)3' UTR (0.58%)1st Exon (0.73%)Other Exon (1.75%)1st Intron (4.48%)Other Intron (11.31%)Downstream (<3kb) (0.42%)Distal Intergenic (20.39%)38−1kb1kb−1kb1kb−1kb1kb−1kb1kb57.59%20.39%11.31%MatchedMotifgeneKDM5DE2F8LUZP1CD59SOX91.67e-135.68e-137.36e-131.60e-127.89e-12e-ValueRank10ANXA11E2F1MYBL2MAFKe-Value1.14e-111.71e-112.33e-113.74e-113.88e-11abiiKDM5DH3K4me3H3K4me2H3K4me1c123456789

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