1D1C1BR+++V=95%CI=exp(lnROR±1.961AADBCOR=abh6) 表1 オキサリプラチン誘発末梢神経障害関連遺伝子データの処理にはAccess 2016(Microsoft)を使用し、R ver. 3.2.1(R Foundation for Statistical Computing)を統計解析に使用した。末梢性神経障害は、Medical Dictionary for Regulatory Activities (MedDRA)ver. 21.0.に従って、「Peripheral Sensory Neuropathy(末梢性感覚ニューロパチー)」および「Neuropathy Peripheral(末梢性ニューロパチー)」と定義した。有害事象のリスクは報告オッズ比(reporting odds ratio; ROR)および95%信頼区間(confidence interval; CI)を計算することによって評価した。FAERSデータセットからオキサリプラチン使用患者の有害事象報告を抽出し、(A)ある薬剤が投与され、有害反応として末梢神経障害が報告された患者、(B)ある薬剤が投与され、有害反応として末梢神経障害が報告されなかった患者、(C)ある薬剤が投与されず、有害反応として末梢神経障害が報告された患者、(D)ある薬剤が投与されず、有害反応として末梢神経障害が報告されなかった患者の4グループに分類した。そして、以下の式に従って、RORと95% CIを算出した。RORの95%CIの下限が1以下であれば、併用薬は末梢神経障害の報告を有意に減少させると考え末梢神経障害を抑制する遺伝子(down genes) 遺伝子名 Gstm1 Gstp1 Gstt1 Mfn2末梢神経障害を促進する遺伝子(up genes) 遺伝子名 Ctr1 Oct2 Trpa1 Trpm8 Trpv1glutathione S-transferase mu 1glutathione S-transferase pi 1glutathione S-transferase theta 1Mitofusin 2solute carrier family 31 (copper transporter), member 1solute carrier family 22 (organic cation transporter), member 2transient receptor potential cation channel subfamily A member 1transient receptor potential cation channel subfamily M member 8transient receptor potential cation channel subfamily V member 1られる。1.2 LINCS解析 OIPNに関するレビュー論文をスクリーニングし、末梢神経障害の発症または増悪に関連する9つの遺伝子を選択した9〜12)。このうち、抑制に関わる4つの遺伝子を「down genes」、末梢神経障害の促進に関わる5つの遺伝子を「up genes」に分類した(表 1)。これらの遺伝子をウェブベースの検索アプリケーションであるLINCS L1000CDS2に入力した。入力されたパターンとは逆の遺伝子発現を引き起こす化合物を、発現パターンの類似度スコアの高い順に上位50位まで検索した。検索結果の上位50化合物のうち、FDAから医薬品として承認されている化合物を予防薬候補として選定した。2 OIPNに対する有効性の検証2.1 von Frey test 6週齢の雄のSprague-Dawley(SD)ラットを、コントロール群、オキサリプラチン群、オキサリプラチン+1 or 10 mg/kg HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬剤)(シンバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン)群の8群に分けた(1群あたりN=6)。オキサリプラチンを5%グルコース溶液に溶解し、4mg/kg/dayの用量で週2回、4週間にわたって腹腔内投与した。また、0.5%メチルセルロース溶液中のシンバスタチン、アトルバスタ74
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