臨床薬理の進歩 No.42
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1D1C1BADBCOR=abh6チンおよびロスバスタチンをそれぞれ1 mg/kg/dayまたは10 mg/kg/dayの用量で週5回、4週間経口投与した。コントロール群には0.5%メチルセルロース溶液を投与した。機械的疼痛閾値は、最初の投与前(0日目)、5日目、12日目、19日目、および26日目に、von Frey testを行って評価した。機械的痛覚閾値の評価にはup-down法を用い、強度2〜15 gのvon Frey filamentを後肢足底中央に6秒間ずつ6回当て、フィラメント強度ごとの逃避反応の回数を測定した。X軸をフィラメント強度、Y軸を逃避反応の割合としてシグモイド曲線をプロットし、反応の割合が50%となるフィラメント強度を反応閾値として算出した。2.2 坐骨神経軸索変性症 30日目にラットから坐骨神経を採取した。採取した坐骨神経を2%(w/v)グルタルアルデヒドで固定し、8%(w/v)スクロースで置換した。エポンに埋め込まれたサンプルをスライスし、トルイジンブルーで染色した。染色したサンプルを光学顕微鏡(BX51、オリンパス)で撮影し、ImageJを用いて分析した。真円度は以下の式で算出した。4π×(軸索面積)真円度=      (軸索周囲径)22.3 OIPNラットモデル組織のリアルタイムPCR OIPNモデルラットから腰椎(L4〜L6)の両側の脊髄後根神経節(DRG)を採取し、RNA抽出を行った。PrimeScript RT試薬キット(Takara Bio)とPCR Thermal Cycler Dice(Takara)を用いてcDNAを作製し、StepOne Plus(Applied Biosystems)を用いてリアルタイムPCRを行った。ラットGAPDHを内部標準として、ΔΔCt法により遺伝子発現量を測定した。2.4 細胞生存率アッセイ PC12細胞を10% FBS、100 U/mLペニシリン、および100 μg/mLストレプトマイシンを含むDulbecco's Modified Eagle Medium(DMEM)で培養した (37 ℃、95% air/5% CO2)。細胞の生存率は、Cell Counting Kit-8を用いて、マイクロプレートリーダー(Model680、Bio-Rad)により450 nmの吸光度を測定することによって評価した。siRNAを用いた実験についても同様に評価した。2.5 Gstm1遺伝子ノックダウン ラットグルタチオンS-トランスフェラーゼmu 1(Gstm1)遺伝子を標的とするsiRNA(Predesigned siRNA、ラットGstm1、BIONEER)またはスクランブルコントロール(sc-37007、Santa Cruz)をLipofectamine RNAiMAXを用いてトランスフェクションした。サイレンシング効率をウェスタンブロッティング法により測定した。2.6 担がんモデルマウス実験 マウス大腸がん細胞Colon26(1×106 cell)をDMEMに懸濁し、7〜8週齢の雄性BALB/cマウスの右腹部に皮下注射した。腫瘍細胞移植後5日目に腫瘍拡大が認められず、腫瘍体積が測定できなかったマウスを実験から除外した。マウスは、コントロール群、オキサリプラチン群、オキサリプラチン+スタチン系薬剤(シンバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン)群の5群に分けた(N=8〜12)。オキサリプラチンとスタチン系薬剤は、R腫瘍細胞移植後5日目から投与した。オキサリプラチン(6 mg/kg/day)を週2回、2週間腹腔内投与した。また、シンバスタチン、アトルバスタ95%CI=exp(lnROR±1.961) チン、ロスバスタチン(15 mg/kg/day)を週5回、A2週間経口投与した。オキサリプラチンは5%グルコース溶液で希釈し、スタチン系薬剤は0.5%メチルセルロース溶液で希釈した。コントロール群には0.5%メチルセルロース溶液を投与した。腫瘍体積は、腫瘍長(a: mm)、短径(b: mm)、高さ(h: mm)について、2日毎に測定した。腫瘍体積(V:mm3)は以下の式に従って算出した。75+++V=

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