臨床薬理の進歩 No.42
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表5 スタチン系薬剤非併用群と併用群の患者背景の比較年齢性別 (%)がん種 (%)BMI体表面積血清検査値(中央値、四分位範囲)併用薬(%)アセトアミノフェン年齢、BMI、体表面積、血清検査値は中央値と四分位範囲で、その他の患者特性は数と割合で表した。統計解析は a) は Mann-Whitney U test、 b) はFisher's exact testを用いて行った。ALT;アラニントランスアミナーゼ、AST;アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ。表6 スタチン系薬剤の併用によるOIPN発生率の比較スタチン系薬剤非併用患者スタチン系薬剤併用患者それぞれの値は数と割合で表した。統計解析はFisher's exact testを用いて行った。考  察スタチン系薬剤中央値(四分位範囲) (56-71)127 (58.8) 89 (41.2)118 (54.6) 42 (19.4) 3 (1.4) 27 (12.5) 2 (0.9) 11 (5.1)21.78男性女性大腸がん胃がん食道がん膵臓がん子宮がん卵巣がん中央値(四分位範囲) (19.50-24.13)中央値(四分位範囲) (1.45-1.72)ALT(11.00-26.00)AST(18.00-32.00)クレアチニン(0.58-0.88)51 (23.6) 2 (0.9)15 (6.9) 055 (25.5)オピオイドノイロトロピンプレガバリンデュロキセチン末梢神経障害発症数(%)末梢神経障害未発症数(%)191 (88.4%) (11.6%)15 (71.4%) (28.6%)スタチン系薬剤非併用群(N = 216)併用群(N = 21)6670 (63-74)12 (57.1) 9 (42.9)10 (47.6) 3 (14.3) 0 (0) 5 (23.8) 0 (0) 2 (9.5)22.86 (20.23-23.89)1.591.64(1.43-1.80)16.0014.00(11.00-25.00)23.0024.00(14.00-26.00)0.690.82(0.56-0.89)5 (23.8)1 (4.8)2 (9.5)04 (19.0)オッズ比250.33p値0.091a)1.00 b)0.700 b)0.301 a)0.716 a)0.537 a)0.13 a)0.502 a)1 b)0.244 b)0.652 b)NA0.607 b)p値0.040 本研究では、大規模医療情報データベースや遺伝子発現データベースを用いたビッグデータ解析、基礎研究、臨床研究を融合した新しい手法を用いて、がんサバイバーのQOLを低下させるOIPNに対する予防薬となりうる既存承認薬を探索し、その6有効性の検証を行った。大規模有害事象自発報告データベース解析と創薬ツールの解析からシンバスタチンが予防薬候補として抽出された。OIPNモデルラットを用いた検討の結果、シンバスタチンを含むスタチン系薬剤は痛覚過敏反応を有意に抑制することが明らかになった。OIPNモデルラットのDRGサンプルを用いたリアルタイムPCRと81

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