を、0.04 mg/mL フィブロネクチン(Sigma-Aldrich)および0.04 mg/mLゼラチン(Wako Pure Chemicals)を含むTris-buffered saline(pH 7.4)中で、30分間、室温で穏やかに振盪した。PASMCを、0.12 mg/mLフィブロネクチンを塗布した24ウェルプレート用細胞培養インサート(0.4μm、BD Falcon/Corning)に播種した。3日間培養した後、4%パラホルムアルデヒドで固定し、ヘマトキシリン・エオジン染色を行い、BioRevo BZ-9000蛍光顕微鏡(Keyence)で観察した。3D培養モデルの組織厚の計測 PDGF-BBによる3D培養モデルの厚みへの影響を評価するため、PDGF-BB投与群には、細胞播種4時間後から10 ng/mLのPDGF-BB(Sigma-Aldrich)を添加した。3D培養モデルの厚さに対するPAH治療薬の効果を評価するために、PDGF-BBに加えてPAH治療薬として臨床的に使用されている阻害剤を投与した。使用した各阻害剤は、DMSOに溶解し、最終濃度は以下のとおりとした。[イマチニブ(1μg/mL;Selleck Chemicals)、ボセンタン(50μM;USP)、MRE-269(400 nM;Cayman Chemicals)、タダラフィル(200 nM;Sigma-Aldrich)] 3D培養モデルは、細胞播種72時間後に回収した。PBSで洗浄した後、4%パラホルムアルデヒドで固定し、0.2%Triton X-100で浸透処理した。その図1 三次元(3D)培養モデルの作製方法肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者の肺動脈平滑筋細胞(PASMC)を、フィブロネクチン、ゼラチンとともに細胞培養用インサートに入れ、細胞培養プレート内で振盪した後に静置培養し、3D培養モデルを作製した。肺高血圧症に対する新規治療薬開発に資する三次元培養モデルの開発後、細胞核をSYTOX Green(0.2μM; Molecular Probes/Thermo Fisher Scientific)で染色した。PBSで3回洗浄した後、細胞培養インサートの膜をメスで切り取り、Fluorescent Mounting Medium (Dako/Agilent)を用いてカバースリップにマウントした。C2+共焦点レーザー顕微鏡(Nikon)を用いて観察した。0.1μmスライスのZスタック画像を撮像した後3D再構成し、NIS-Elements AR version 4.30(Nikon)を用いて組織厚を測定した。3D培養モデルの免疫蛍光染色 3D培養モデルをPBSで洗浄し、4%パラホルムアルデヒドによる固定と0.2%Triton X-100による浸透処理の後、抗Ki67抗体(ab15580、rabbit polyclonal、Abcam)を1次抗体として、Alexa Fluor 594標識抗ウサギ抗体(A-21207、Molecular Probes/Thermo Fisher Scientific)を2次抗体として反応を行い、SYTOX Greenで核を染色した。サンプルはC2+共焦点レーザー顕微鏡で観察し、ランダムに選んだ4つの視野について、ImageJ(National Institute of Health)を用いて全核の面積およびKi67陽性核の面積を定量し、全核の面積に対するKi67陽性核の面積比を算出した。3D培養モデルのTUNEL染色 アポトーシス細胞は、in situ Cell Death Detection Kit、TMR-red(Roche)を用いて検出した。3D培養161161
元のページ ../index.html#177