臨床薬理の進歩 No.43
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研究について図1 肺動脈弁置換術の人工弁の種類別・再置換率立て方も英語力も、向上させることができました。 当初の予定より研究期間が短くなってしまったため、いくつか薬剤に関するProjectに参加予定だったものが取りやめになってしまい、最終的に形にできたのは最初から与えられていた外科との合同研究の一つだけでした。 RBHで2003〜2018年の15年間に行われた肺動脈弁置換術(PVR; pulmonary valve replacement)490例について(自治医大でのPVRは年間5例に満たない件数ですので、驚異的な手術件数です)、使用された人工弁の種類について解析しました。日本では未認可のHomograftが179例(37%)、ウシ心膜弁のPerimount弁が152例(31%)、ブタ心膜弁のMosaic弁が120例(24%)、ウシ心膜弁のHancock弁が31例(6%)、その他が5例(1%)でした。いずれの生体弁も15〜20年ほどで劣化してしまうため再置換が必要になりますが、6.5±4.3年の観察期間のうちに27例(5.5%)が再PVRを必要としました。弁の種類には有意差はありませんでしたが、ブタ心膜弁であるMosaic弁はウシ心膜弁のPerimount弁よりもやや再置換を要する時期が早い傾向にありました(図1)。単独のPVRはファロー四徴症の患者さんに行われることが最も多く、多くの方は幼少期に1回目の手術を受けるため、一生涯に複数回のPVRを必要とすることになります。そのため現在欧米では経カテーテル的PVRが主流になってきており、2回目3回目のPVRは低侵襲で行える情勢になってきています。残念ながらまだ日本では治験段階ですが、早く多くの患者さんが簡便に治療を受けられるようになるといいと思いますし、またもっと耐久性の高い人工弁も開発過程にあるとのことですので、期待したいと考えています。 Covid-19の影響で急遽英国から帰国後に、東京女子医科大学病院循環器小児科の先生方のご厚意で、最後の半年間は国内留学に切り替えさせていただきました。東京女子医大は日本で最も古くから先天性心疾患の手術を行っていた、国内でも有数のACHDセンターの一つです。女子医大では、現在国内で禁忌とされている心疾患合併妊婦へのβ遮断薬の安全性に関する臨床研究を181

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