図1 治療シェーマ対象と方法ほうが優れている可能性があり、実際、後方視的な研究ではあるが、T4b食道癌に対する導入DCF療法の有望なデータが散見されてきている。 そこで我々は、T4b食道癌に対するCSを念頭においた初期治療として、化学放射線療法に対するDCF療法の優越性を検証する多施設ランダム化比較試験を行った。今回は、その治療成績の治療効果や有害反応などの短期成績について報告する。患者対象 本試験は、多施設前向きランダム化第Ⅱ相試験として行った。参加施設は、大阪国際がんセンター、大阪大学、近畿大学、大阪府立急性期総合医療センター、大阪医療センター、関西ろうさい病院の6施設である。胸部食道癌で、病理学的に扁平上皮癌と診断されている患者を対象とし、年齢20歳以上、75歳以下を対象とした。治療開始前でのCTでの評価を必須とし、CTでの腫瘍の大動脈もしくは気管/気管支の浸潤の有無でT4bを診断した。CT画像でのT4b診断は、腫瘍が気管内腔まで浸潤しているか、気管/気管支の形状の変形をもって気管浸潤の診断を行った。大動脈への浸潤の有無は、同じくCTで大動脈と脊椎の間の腫瘍陰影の存在や、腫瘍と大動脈の接する角度(Picus角)が90度以上であることをもって行った。T4b診断は、施設間格差が生じやすいため、3か月毎に参加施設にて画像的な中央判定を行った。その他、Performance status(PS) 1以下、各臓器機能が維持できている、遠隔転移がないことを登録条件とした。臨床試験として、各施設で倫理委員会での承認後に実施し、各患者へのインフォームドコンセントを十分行った。ランダム化と治療プロトコール 患者は、置換ブロック法によってコンピューターでランダムに振り分けられることとし、化学放射線療法を先行する群(A群)とDCF化学療法を先行させる群(B群)のどちらかに振り分けた。層別化因子としては、施設とT4b対象の臓器とした。詳細を図1に示す。化学放射線療法の治療内容は、1.8 Gy×28回で合計50.4 Gyの照射とし、照射野切除可能食道切除層別化因子① 施設② T4 対象臓器群法療線射放学化 療治期初 : 群AFP+RT 50.4 Gy切除不能2次治療 化学療法群DCF 療法切除可能切除不能食道切除後治療自由DCF 療法切除可能切除不能食道切除2次治療 化学放射線療法群FP+RT 50.4 Gy切除可能食道切除)む含節パンリ窩上骨鎖( 1-OM 3-ON )管気はたま脈動大(4Tc群法療学化 療治期初 : 群B切除不能後治療自由10
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