臨床薬理の進歩 No.43
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12345678−−−−表2 評価者の判定結果表3 主要および副次評価項目dE* 2000, International Commission on Illumination (CIE2000) color defference formula結  果12週評価者1評価者2無効無効無効有効無効有効無効有効無効無効無効無効無効有効無効有効0週目3.6 (1.7)2.8 (0.7)21.3 (4.2)24週評価者2無効有効有効有効有効無効有効有効無効有効有効有効有効無効無効有効24週68.8 (44.1-85.9)2.7 (1.5)2.2 (0.9) 9.2 (3.0)患者背景 2019年7月から2020年7月にかけて、合計8名の患者が本試験に参加した。すべての患者が24週間の試験治療を受けて終了し、解析を行った。患者の特徴を表1にまとめた。男性は2名、女性は6名だった。そのうち、在胎週数が37週未満の患者は2名だった。プロプラノロール治療開始時の平均(±SD)年齢は91.8(±39.7)日であった。乳児血管腫は、頭皮、背中、上下肢、陰部などにあった。すべての患者の臨床型は表在性であった。1名の乳児血管腫患者は潰瘍を有していた。有効性 12週目および24週目におけるプロプラノロールの判定結果を表2にまとめた。ベースラインから24週目の有効率は68.8%(95%CI:44.1-85.9%)であり、95%CIの下限は有効性の基準である研究対象者識別番号主要評価項目 24週目の有効率, % (95%CI)副次評価項目 12週目の有効率, % (95%CI)表面性、長径、色調の変化 表面積 (cm2), mean(SD) 長径 (cm), mean(SD) 色調 (dE* 2000), mean(SD)12%を超えていた(表3)。一方、ベースラインから12週目の有効率は31.3%(95%CI:14.1-55.9%)であった。2名の評価者によるCohen's Kappa係数は0.714であり、ほぼ一致していた。表3に示すように、平均表面積(0週目、12週目、24週目でそれぞれ3.6、3.5、2.7cm2)、平均最大径(0週目、12週目、24週目でそれぞれ2.8、2.5、2.2cm)、平均色調(0週目、12週目、24週目でそれぞれ21.3、14.7、9.2)は、時間の経過とともに減少した。プロプラノロールを投与した患者の0週目および12週目、24週目の乳児血管腫の全例を図1に示す。安全性 試験治療中に発生した有害事象を表4にまとめた。有害事象の発生率は87.5%(8名に7名)、薬剤に関連する有害事象の発生率は0%であった。有害事象は、軽度の肝機能酵素の上昇、上気道炎、湿疹、擦過傷、感染性皮膚炎、皮下血腫、蕁麻疹であった。試験治療中に観察された軽度の肝機能酵素の上昇評価者112週31.3 (14.1-55.9)3.5 (1.7) 2.5 (0.7)14.7 (3.2)36

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