臨床薬理の進歩 No.43
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123456781632111図1 全患者の0週目、12週目、24週目の乳児血管腫表4 有害事象System Organ Class, Preferred Term肝機能障害 肝機能酵素上昇感染症 上気道炎皮膚・皮下組織障害 湿疹 擦過傷 感染性皮膚炎 皮下血腫 蕁麻疹安全性解析集団はすべての患者を対象とした。有害事象とは、研究の治療中に発生または悪化したすべての事象を指し、MedDRA(Medical Dictionary for Regulatory Activities)の用語に従って集計した。(n=8)表5 血漿中のプロプラノロール濃度研究対象者識別番号検出限界を0.5 ng/mLとし、0.5 ng/mL以下の値はN.D.とした。考  察4週24週(ng/mL)N.D.1.16N.D.N.D.4.42N.D.4N.D0.590.60.755.312.89N.D.2.270.79は自然軽快した。上気道炎はすべての症例で軽症であり、去痰剤の内服により消失した。対象となる乳児血管腫とは別の部位に発生した湿疹は、保湿剤の投与により消失した。対象となる乳児血管腫とは別の場所で発生した蕁麻疹は、抗ヒスタミン剤の内服で治癒した。対象となる乳児血管腫とは別の場所で発生した擦過傷や皮下血腫は、治療せずに治癒した。感染性皮膚炎が対象乳児血管腫の部位に発生したが、抗菌剤の内服で速やかに治癒した。低血圧、徐脈、低血糖、気管支喘息など、プロプラノロールに関連して報告されているリスクは、試験治療中の患者にはいずれも認められなかった。 全患者のプロプラノロールの血漿中濃度を表5に示す。試験治療の4週目および24週目には、それぞれ37.5%(8名中3名)および87.5%(8名中7名)の患者の血漿中にプロプラノロールが認められた。血漿中のプロプラノロールの最高濃度は、投与4週目に4.42 ng/mL、24週目に5.31 ng/mLであった。 本臨床試験では、日本人乳児血管腫患者における5%プロプラノロールクリームの有効性と安全性が示された。有効性の評価方法は、これまでの3737

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