結 果用いて画像を取得し、ImageJにより定量化を行った。 p-Smurf2Thr249抗体は次のように作製した。2匹のウサギにアミノ酸配列244-258を代表とするキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)コンジュゲートp-Smurf2Thr249抗原決定基(エピトープ)を投与し、完全フロイントアジュバントで乳化し、14日の間隔で3回、p-Smurf2Thr249抗原決定基(エピトープ)により追加免疫した。スフィア形成能評価 StemPro Accutase(Gibco)と70 µmセルストレーナー(BD Biosciences)を用いて細胞懸濁液を調製した。スフィア形成能評価では、96ウェル超低接着表面プレート(Corning)に1%メチルセルロース含有ニューロスフィア培地で懸濁した細胞を1ウェルにつき2×103個播種した。直径50 µm以上をスフィアとし、7日目で計測した。オールインワン蛍光顕微鏡BZ-X810(キーエンス)で撮影し、BZ-X810 解析アプリケーション(キーエンス)で定量化した。GBMモデルマウスと組織学的解析 4週齢の雌性ヌードマウス(BALB/cSlc-nu/nu、SLC)を使用した。マイクロドリルでブレグマから前側0.5 mm、外側2.0 mmに頭蓋穿孔を開け、硬膜下の深さ3 mmにTGS-01 GSCを5×104個移植した。マウスは記載のタイムポイント、あるいは神経症状が出現した際にサクリファイスした。マウスの脳を4%パラホルムアルデヒド溶液で固定し、パラフィン包埋後、5 µm厚の組織切片を作成し、ヘマトキシリン・エオジン(H&E)染色を行った。組織切片の染色像はオールインワン蛍光顕微鏡BZ-X810(キーエンス)で取得した。すべての動物実験は岐阜薬科大学、金沢大学の動物実験委員会により承認され、実験動物の処置と利用に関するガイドラインに従って実施された。レンチウイルスベクターの作製と感染 SMURF2T249Aコンストラクトは、特異的プライマーとPrimeSTAR Max Mutagenesis Basal Kit (Takara Bio)を用いて作製し、CSⅡベクターを使用した。shSMURF2はオリゴヌクレオチドを合成・アニールし、mCherryベクターに挿入した。TGFBR1 shRNAはSigmaから入手した。リン酸カルシウム法を用いてこれらのベクターをHEK293Tに遺伝子導入した。導入後48 hでウイルス上清を回収し、細胞にウイルス上清を24 h感染させた。免疫沈降(IP)アッセイ 細胞は、プロテアーゼインヒビターカクテルを加えた溶解バッファーで可溶化し、抗体と4 ℃、24 hインキュベーションし、Protein G SepharoseでIPした。免疫沈降物を溶解バッファーで3回洗浄し、SDS溶液と加熱後、SDS-PAGEを行い、ウェスタンブロッティングによりタンパク質発現を解析した。バイオインフォマティクス Cancer Genome Atlas(TCGA)projectから得られた遺伝子発現データを、GlioVis database(http://gliovis.bioinfo.cnio.es/)を用いて解析した。統計解析 明記がない限り、統計学的有意差をStudent’s t-testとone-way ANOVA post hoc Bonferroni testで算出した。本検討を通し、p < 0.05が統計学的有意差としてみなされる。相関解析は、Pearsonの相関係数で計算した。GSCにおけるshSMURF2を用いたin vitro、in vivo解析 はじめに、GBM患者由来GSCでshSMURF2によりSMURF2発現を抑制し、in vitroにおけるGSCの幹細胞性維持機構でのSMURF2の機能的役割を検討した。SMURF2ノックダウン群ではスフィアの数が有意に増加しGSCの自己複製能が60
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