)g(*)%(考 察変化が見られなかった(図3B)。これらの結果から、K02288は血管内皮細胞およびマウス肺におけるRobo4発現を促進する作用を持つことが示された。ALK1阻害剤が敗血症マウスの血管透過性と病態に与える影響の評価 Robo4発現促進作用を有するK02288が敗血症マウスの血管透過性に与える影響を解析した。K02288を事前投与したマウスにLPSを投与し、エバンスブルーの漏出量測定により血管透過性を評価した(図4A)。その結果、K02288は肺でのエバンスブルーの漏出を抑制したが、腎臓での漏出量に影響を与えなかった。このことから、K02288がLPS投与マウスの肺の血管透過性を抑制することが示された。 次に、ALK1阻害剤が敗血症マウスの生存率に与える影響を解析した。K02288を事前投与したマウスにLPSを投与したところ、生存率が18% (3/17)から56%(10/18)に改善された(図4B)。これらの結果から、Robo4発現を促進するALK1阻害剤K02288は、敗血症マウスの肺の血管透過性の抑制を介して、敗血症病態を緩和させることが示唆された。図4 ALK1阻害剤が敗血症マウスの血管透過性と生存率に与える影響(A)K02288の事前投与がLPS投与マウスのエバンスブルーの血管外漏出に与える影響(n=8、mean±SEM、*p<0.05 by Student's t-test) (B)K02288事前投与がLPS投与マウスの生存時間に与える影響(n=17(Control)、18(K02288)、p=0.012 by log-rank test) 本研究では、Robo4過剰発現マウスを用いたLPSモデルの解析から、内皮細胞におけるRobo4発現の促進により、敗血症の死亡率を抑制できることを明らかにした。この結果から、血管透過性抑制分子であるRobo4発現を促進する戦略で重症感染症・敗血症を治療できることが示された。また、Robo4発現促進薬が敗血症治療薬となる可能性が示されたため、その確認のためRobo4発現の制御メカニズムの解析を行った。その結果、BMP9がその受容体であるALK1に結合し、SMAD1/5を介してRobo4発現を抑制するメカニズムが明らかになった。また、このシグナル伝達系を抑制するALK1阻害剤K02288が、内皮細胞とマウス肺のRobo4発現を増加させることを明らかにした。さらに、Robo4発現促進活性を持つK02288が、LPS投与マウスの肺の血管透過性を抑制すること、また同マウスの死亡率を低減する可能性が示された。以上の研究から、Robo4発現促進薬で血管透過性を抑制することが、敗血症の新たな治療戦略となる可能性が示された。 K02288はマウスの肺におけるRobo4発現を促進し、血管透過性を抑制したが、腎臓では同様の血管透過性を標的とする新しい抗炎症薬の開発p=0.0127373(h)A B
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