臨床薬理の進歩 No.44
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表1 患者背景年齢(歳)男性リネゾリド投与量(mg/kg/日)リネゾリド投与期間(日)治療開始前の生化学検査値  AST(U/L) ALT(U/L) 総ビリルビン値(mg/dL) CCr(mL/min) 白血球数(×109/L) 血小板数(×109/L) ヘモグロビン値(g/dL) アルブミン値(g/dL) C反応性タンパク(mg/dL)併用薬 ランソプラゾール 他のPPI感染型 敗血症 肺炎  その他数値は中央値[最小値–最大値]または人数で表記。CCrはCockcroft-Gault式を用いて計算した。他のPPIとして、エソメプラゾール(n=6)、オメプラゾール(n=13)、ラベプラゾール(n=1)が投与された。Fisher’s exact検定またはMann–Whitney U検定を用いて統計解析を行った。血小板減少未発症群(n=85)63 [24–90]66 (78)19.5 [9.4–59.1]7 [3–42]38 [13–235]29 [6–323]0.6 [0.2–14.6]87.5 [5.6–285.1]11.22 [0.10–30.84]227 [111–667]9.7 [6.2–14.0]2.3 [0.4–4.4]10.99 [0.18–27.02]35 (41)12 (14)20 (24)39 (46)26 (31)血小板減少発症群(n=65)67 [29–95]48 (74)20.1 [7.2–31.7]8 [3–81]42 [11–3556]33 [5–1921]0.8 [0.2–23.0]61.6 [7.1–182.9]11.60 [3.27–27.85]225 [106–564]10.0 [6.0–15.8]2.4 [0.8–4.4]12.20 [0.06–35.64]40 (62)8 (12)19 (29)23 (35)23 (35)p値0.2080.7000.9340.0090.1340.8660.0800.0110.8330.9350.1430.7840.4160.0210.8120.4570.2420.600(hOAT1)及びヒト有機アニオントランスポータ3(hOAT3)を安定発現させたHEK-hOAT1細胞及びHEK-hOAT3細胞を使用した。対照として空ベクター導入細胞HEK-pBK細胞を用いた。各細胞は京都大学医学部附属病院薬剤部より提供を受けた。細胞は、37 ºC、5%CO2の存在下、10%ウシ胎児血清と0.5 mg/mL G418(FUJIFILM Wako Pure Chemical)を加えたMedium 199(Gibco)を用いて培養した。取込み実験は、3.5 cm dishに1.2×106個/dishで細胞を藩種し、G418を含まない培地で48時間単層培養した細胞を用いた。取込み実験 HEK-pBK、HEK-hOAT1及びHEK-hOAT3細胞を用いて、リネゾリド及びその代謝物(PNU-142300及びPNU-142586)の取り込み実験を行った。各細胞に1 µMの薬液を添加し、37 ℃で一定時間培養した。HEK-hOAT3細胞を用いた阻害実験については、100 µMプロベネシド(OAT3の典型的阻害薬)あるいは0.01、0.1、0.5、1、10、100 µMランソプラゾール非存在下もしくは存在下において、37 ℃、5分間の取込み実験を行った。取込み実験終了後、細胞を回収し、細胞内薬物濃度は超高速高分離液体クロマトグラフ質量分析装置UPLC-MS/MS(ACQUITY、Waters)で測定を行い、タンパク量はBCAタンパク質アッセイキット(Pierce)で定量を行った。統計解析 細胞実験の結果は平均値±標準誤差(n=3)で示し、Dunnett検定またはStudent’s t検定を用いて検定を行った。後方視的研究における2群間の比較にはMann–Whitney U検定あるいはFisher’s exact検定を行い、カプランマイヤー解析ではGehan-Breslow-Wilcoxon検定を用いて統計解析を行った。統計はGraphPad Prism 8.4.3ソフトフェアあるいはJMP 9595

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