臨床薬理の進歩 No.44
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b√acd55069*1/*1*1/*3*3/*3表1 解析対象患者データの概要患者数(男/女)年齢(Age: years)体重(BW: kg)投与量(Dose)5 mg/day, 10 mg/day, 20 mg/day血清クレアチニン値(Scr: mg/dL)クレアチニンクリアランス(CLcr; mL/min)AST(U/L)ALT(U/L)アミオダロン(AMD)b)併用患者数結  果中央値(最小値-最大値)a)124(91/33)69.0(37.0-90.0)64.6(26.1-101.0)39, 108, 10.87(0.41-1.48)68.5(19.2-182.4)63.6(35.6-134.3)23.0(13.0-97.0)19.5(8.0-115.0)表2 薬物動態遺伝子多型のアレル頻度患者数遺伝子多型ABCB1 1236C>TC/CC/TT/TABCB1 2677G>A/TG/GG/A or G/TA/A or T/A or T/TABCB1 3435C>TC/CC/TT/TABCG2 421C>AC/CC/AA/ACYP3A5*3データ数124148148148148148148148148アレル頻度0.4114458220.5692753440.4234357240.2906350110.758a)患者、投与量、AMD併用に関する数値は患者数を示す。b)AMDはCYP3A4の基質で、ABCB1の阻害薬としてその影響を評価。95%CI=exp{ln(ROR)±1.961+1+1+1}(3) ここで、aはアピキサバンにより出血症状が報告された件数、aはアピキサバンにより出血症状以外の有害反応が報告された件数、cはアピキサバン以外の薬物により出血症状が報告された件数、dはアピキサバン以外の薬物により出血症状以外の有害反応が報告された件数を示す。RORが1より大きく、かつRORの95%CIの下限値が1より大きい場合にシグナルありと判定した。ゲノム薬理学的解析対象患者データの概要 解析に用いたAF患者は121名で、データ数は148点であった。解析対象患者データの概要を表1に示す。薬物動態関連遺伝子多型(ABCB1 1236C>T、ABCB1 2677G>T/A、ABCB1 3435C>T、ABCG2 421C>A、CYP3A5*3)のSNPを解析した結果を表2に示す。いずれの遺伝子多型もHardy-Weinberg平衡が成立していることを確認した。また、出血が認められた患者数は121名中10名(8.3%)であり、いずれの患者においても臨床上重大な出血は観察されなかった。アピキサバン内服による出血に影響を及ぼす要因に関するゲノム薬理学的解析 アピキサバン内服患者148点のデータを対象にアピキサバン内服による出血症状の発現頻度に及ぼす臨床検査値やアピキサバンの投与量、併用薬の影響について解析した。BWは出血の有無への影響が認められなかったが、D/BWが多い患者では出血しやすい傾向が認められた(図1)。また、CYP3A4の基質であり、ABCB1阻害作用を示すアミオダロン併用の有無がアピキサバン内服患者の出血の発現頻度に及ぼす影響について解析した結果、出血頻度に有意な影響を及ぼさなかった。105

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