臨床薬理の進歩 No.44
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度頻現発の眠傾度程の眠傾たい用をSRN9******N995NN*00考  察オランザピン投与期間中オランザピン投与終了後で対象としている患者の化学療法の治療期間が中央値で5日間と長く、急性期として定義している期間の中には、治療開始初期に投与された抗悪性腫瘍剤による遅発性の嘔気が本試験で定義している急性期に認められている可能性がある。 有害反応は、傾眠が88%において認められ、既報14)よりも高い頻度で認められた。傾眠に関しては、患者によっては化学療法による嘔気や嘔吐症状と比較し、許容性が高い場合もあり、患者個々の希望に応じたオランザピンの投与設計が重要と考える。また、本試験の結果から、オランザピン投与終了後においても、数日間は傾眠傾向が継続する症例も認められたため、オランザピン投与終了後も注意が必要である。これはオランザピンの半減期が約33時間5)と長いことが原因と考えられる。また、本試験では高血糖が71%と全てGrade1ではあるが、高頻度で認められた。オランザピンは本邦で発売開始後、因果関係の否定できない重篤な高血 本試験により、NK1受容体拮抗薬や5-HT3受容体拮抗薬等の従来使用されている制吐剤では制吐効果が不十分な患者において、オランザピンを使用することにより、CC率が全期間で71%、急性期で76%、遅発期で82%と良好な成績であった。5歳以上の小児を対象とした海外でのPhaseⅢ試験14)の結果では、「嘔吐なし」かつ「レスキュー薬使用なし」と定義しているCR率は、全期間で64%、急性期で78%、遅発期で74%と、本試験と同程度の有効性を示しており、日本人小児患者においても、同様に制吐剤としての使用されるオランザピンの有効性が示唆される結果であった。また、成人での報告15)では、急性期に比べ遅発期において、嘔気コントロールが不良である傾向があるが、本試験においては、遅発期と比較し、急性期の方がよりTC率およびCC率が低い傾向があった。これは、本試験100%80%53%60%40%20%0%N1710.08.06.04.02.00.0図2 オランザピンによる傾眠の発現頻度と程度#オランザピン最終投与からの経過時間*中央値±標準誤差Day1Day2Day3Day4Day5Day6Day1Day2Day3Day4Day5Day680%71%64%59%56%17171514101212100%80%60%40%24%20%6%6%6%0%0%48#144#-72h-168h17170%10.08.06.04.02.00.072#-96h1724#-48h1724#-48h448#-72h172#-96h196#-120h17120#-144h1796#-120h1120#-144h144#-168h130

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