臨床薬理の進歩 No.44
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htgneL(A)安静時CruraldiaphragmLESHRMカテーテル図1 健常者のhigh-resolution manometry画像(A)安静時の画像を示す。食道体部には蠕動がみられない。EGJではLESとCDは重なっており、1本の圧力帯(single-pressure zone)として描出され、呼吸性変動に伴う圧変化(色調変化)がみられる。(B)水嚥下を行うと食道蠕動がみられ、口側から尾側に向かって順に圧力が伝播していく。圧力波の傾きは食道造影検査でのクリアランス速度と一致する。CD, crural diaphragm; EGJ, esophago-gastric junction; HRM, high-resolution manometry; LES, lower esophageal sphincter.は色スケールに従って表示され、低圧から高圧になるにつれて、青、緑、黄、赤、黒へと変化する。縦方向は鼻孔からの距離を表しており、時間はHRM画像の左から右に向かって進んでいく。安静時には食道蠕動はみられないため、食道体部は低圧(青)を示す。一方、食道胃接合部(esophago-gastric junction;EGJ)の圧は安静時に強い(図1A)。健常者のEGJでは下部食道括約筋(lower esophageal sphincter;LES)と横隔膜脚(crural diaphragm;CD)の圧力が重なり,1本の圧力帯(single-pressure zone)ボノプラザン抵抗性GERD患者の酸分泌状態の評価(B)HRM画像と食道造影検査イメージとの比較として描出されるが、呼吸による圧変動がみられる。水嚥下を行うと食道蠕動が誘発され、圧力波が食道体部に現れる(図1B)。圧力波の傾きは食道造影検査でのクリアランス速度と一致する。また、HRMシステムでは食道蠕動の開始から終了までの圧力波の積算圧を算出することができ、この食道蠕動積算圧をdistal contractile integral(DCI)と呼ぶ。DCIの大きさによって食道蠕動が正常か微弱かを判断することができる。135135色スケール高圧低圧圧センサー嚥下食道蠕動圧食道造影検査イメージEGJSingle-pressure zoneLES + CDHRM カテーテル外観Time3.8 mm5.4 mm

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