臨床薬理の進歩 No.44
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)g/lomμ(度濃DTFの中ANDR2=0.03R2=0.13)g/lomμ(度濃DTFの中AND)g/lomμ(度濃DTFの中AND域領素酸高域領素酸低(b)PBMC中のFTD濃度と組織中低酸素領域のFTD濃度の関係図3 各酸素領域におけるPBMC中のFTD濃度と組織中のFTD濃度の関係(a)低酸素領域(n=10)、高酸素領域(n=10)。低酸素領域から抽出したDNA中のFTD濃度は6.67±3.42 µmol/g DNA、高酸素領域から抽出したDNA中のFTD濃度は10.53±4.81 µmol/g DNA(平均値、標準偏差)。p値はt検定により計算し、p<0.05を統計学的有意と判断した。(b)PBMCのDNAに取り込まれたFTD濃度と低酸素領域においてDNAに取り込まれたFTD濃度の関係において回帰分析を行い、R2値を求めた。(c)PBMCのDNAに取り込まれたFTD濃度と高酸素領域においてDNAに取り込まれたFTD濃度の関係において回帰分析を行い、R2値を求めた。DNA中のFTD濃度(µmol/g)結  果PBMC(a)低酸素領域、高酸素領域とFTD濃度の関係(c)PBMC中のFTD濃度と組織中高酸素領域のFTD濃度の関係**p<0.05低酸素高酸素PBMCDNA中のFTD濃度(µmol/g)ありとした。また、回帰分析によりR2値を求めた。患者背景 2021年3月から2022年5月末までに進行胃がん患者13例(男性10例、女性3例)に対し同意を取得した。年齢中央値は71歳(52-83歳)であり、13例のうち8例がFTD/TPI単剤、5例が血管新生阻害剤であるラムシルマブ(抗VEGFR-2抗体)との併用により治療を開始された。同意を取得した13例のうち、12例がOXEIの実施が可能であった。OXEIが実施された12例のうち、2例は低酸素領域のみの腫瘍であり、残り10例は腫瘍内に低酸素領域と高酸素領域が混在する不均一な腫瘍であった(表1、図2)。酸素飽和度とFTD濃度との関係 酸素飽和度とFTD濃度との関係を探索するために、低酸素領域と高酸素領域が不均一に存在した10例から、酸素領域毎に採取した組織よりDNAを抽出し、DNA中に取り込まれたFTD濃度を測定した。結果、FTD濃度は、低酸素領域で6.67±3.42 µmol/gDNA、高酸素領域では、10.53±4.81 µmol/g DNAであり、高酸素領域で有意に高値を示した(p<0.05)(図3a)。一方で、PBMCより取り出したDNA中のFTD濃度と組織より取り出したDNA中のFTD濃度は、低酸素領域、高酸素領域のいずれにおいても相関関係を認めなかった(図3b、3c)。147147

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