臨床薬理の進歩 No.44
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MOROHOSHI HOKUTO写真1 ストックホルムの街並み 私は、2019年9月から2021年8月までの約2年間、スウェーデンにあるKarolinska Institutet(KI)の研究部署であるClinical Science、 Intervention and Technology(CLINTEC)内のRenal Medicine and Baxter Novum(Baxter)に研究留学をさせて頂きました。海外での研究活動と生活、また、COVID-19の世界的な大流行の影響もあり、大変貴重な経験をすることができました。スウェーデン留学を支援してくださった臨床薬理研究振興財団に心から厚く御礼申し上げます。今回は、スウェーデンのストックホルムでの生活や、カロリンスカ研究所での研究についてご報告いたします。 スウェーデンは北欧最大の国であり、国土は約45万km2(日本の約1.2倍)ですが、人口は約1038万人(日本の10分の1以下)となっています。キャッシュレス社会であり、2年間の留学中に現金を使用する機会は2回(1回は日本国大使館)しかありませんでした。また、ジェンダーギャップが少ないとされ、事実婚やPROFILE2011年 昭和大学医学部卒業2011年 昭和大学横浜市北部病院 初期研修2013年 昭和大学横浜市北部病院一般外科 入局2017年  昭和大学大学院医学研究科博士課程    (病理系薬理学医科薬理学分野)修了昭和大学医学部衛生学公衆衛生学講座2017年  昭和大学臨床薬理研究所 助教2019年  Karolinska Institutet、Department of CLINTEC、  Renal Medicine and Baxter Novum visiting researcher2022年 昭和大学医学部衛生学公衆衛生学講座 講師同性婚も認められ、男女共同トイレが数多くあり、夫婦共働きが主で専業主婦(主夫)になるという選択肢は、取らないのではなく、取れないという印象を受けました。公用語はスウェーデン語ですが、大半の方が英語を流暢に話せるため、私生活も英語だけで暮らすことができたのは非常に助かりました。食に関しては、日本同様に、水道水はそのまま飲め、生卵も食べられます。外食が非常に高く、ファストフードチェーンでもそれなりの値段が掛かりますので、自炊が基本でした(料理を作っていたのは妻ですが)。外食やテイクアウト、デリバリーでは、日本の様に安価で比較的美味しいのは少ないですが、しっかりとした値段のレストランに行けば、とても美味173諸星 北人(2019年9月~2021年8月)はじめにストックホルムでの生活カロリンスカ研究所留学報告

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