臨床薬理の進歩 No.44
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写真2 Wenner-GrenCenterにて日本人留学者のパーティーでの集合写真しい食事を食べられます。スウェーデンではLagomという、ちょうど良い、多すぎず少なすぎず、それぞれ自分にあった物や量を良しとする概念がライフスタイルに根付いており、総じて、私は大きなストレスなく生活することが出来ました。 私が暮らしたストックホルムは、スウェーデンの首都であり、北欧最大の人口を誇ります。築100年以上する古い建物も現役で数多く使用されており、とても美しい町並みを有しています(写真1)。冬は日が短く、午前9時頃から午後3時頃までしか太陽がでないですが、夏は日が長く、夜10時頃まで明るいです。スウェーデンの方は夏に日差しを浴びるのが大好きであり、ストックホルムの公園には、夏の日中になると平日でも、水着姿で日光浴をしている人が多く見られました。一日中雨が降り続けることは稀なため、雨が降っても傘を差す人はほぼおらず(レインコートを着る方は多かったです)、空気が乾燥しているので濡れても歩いているうちに乾くのが便利でした。冬は寒いですが、気温−10℃以下は少なく、朝から晩まで気温0℃で時間帯による変動が少ないです。私は問題ありませんでしたが、冬に長時間暗いことに耐えられるかが、スウェーデンで生活できるかの一つの分かれ目になるかと感じました。また、ストックホルムでは、ノーベル賞の授賞式や晩餐会が行われる建物が観光名所となっており、スポーツは夏がサッカーで冬はアイスホッケーが盛んでした。アイスホッケーの試合を観戦しましたが、製氷中は、リンク建物内のパブやバーは立っているのがやっとな程、大賑わいでした。予約が必要な特別席が空いていると勝手に座る一方で、観戦席での飲酒禁止は律義に守っている姿が頭に残っています。 研究活動以外も充実した日々を過ごせました。海外から来た研究留学生用の集合住宅である、Wenner-Gren Centerで開催されたクリスマスパーティーにて、KIの他部署に留学中の歯科医師や、工学系の大学に留学している日本人家族の方々と知り合えました(写真2)。また、私生活での一番大きな出来事としては、この留学には妻が同行してくれており、現地で私の第一子が誕生したことです。スウェーデンは出生地主義ではないので、現地の国籍は取得できなかったのが残念でした。 KIは1810年に設立された医科大学で、現在は、スウェーデン国内で最大級の研究・教育・医療機関となっており、ノーベル生理学医学賞の受賞者を決めていることでも有名です(写真3)。Solna、Huddingeという2つのキャンパスがあり、どちらにも大学病院が併設されています。私の留学先であるBaxterは、メインキャンパスでは174KIとBaxter Novumについて

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