臨床薬理の進歩 No.44
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結  果CFAアジュバント入り、day 21にIFA入りエマルジョンをそれぞれマウスの尾根部に50 μLずつ2箇所、計100 μL皮内投与し、CIAを誘導した。2回目のエマルジョン投与の1時間前にDMSO、INH #1とINH #3をそれぞれIPし、その後day 22からday 32まで1日2回、DMSOと化合物をIPし、day 32にSacrificeし、各臓器を回収した。関節炎スコア 四肢を0点から4点で評価し、四肢の合計(最大16点)を各マウスのスコアとした。0点; 目にみえる異常なし1点; 手首の軽度の発赤や腫れ、または1指までの2点; 2指以上の腫脹、または足首や手首の中程度3点; 足首および手首の強い腫脹かつ4本以下の指4点; すべての指を含む足首と手首に広範囲な炎症、組織スコア CIAモデルマウスのday 32に両後肢を4% PFAで固定した。20% EDTAで28日間脱灰後、パラフィンで包埋し、3 μm厚に薄切した。HE染色を行い組織評価を行った。両肢をそれぞれ0点から3点で評価し、四肢の合計、最大6点で各マウスのスコアとした5)。0点; 正常、滑膜の細胞層が1-2層であり、炎症性1点; 滑膜は3-5層、滑膜への細胞浸潤は軽度、関2点; 細胞膜は多層構造、細胞浸潤は増強、関節全3点; 全関節腔を満たす炎症が最大限に拡大、滑膜CⅡ抗体価測定 CⅡ溶液(1 mg/mL)を96 well ELISA plateに炎症の発赤と腫れの腫脹または新生骨の形成と可動域制限浸潤はない節腔に滲出液、細胞密度は低い体の細胞密度は上昇組織が過形成、細胞密度が高い加え、4 ℃で24時間培養する。その後1% BSA/PBSを加え37 ℃で1時間培養したのち、day 32にCIAマウスから回収した血清を希釈して加える。25 ℃で2時間培養したのち、wash後にHRP結合マウスIgG抗体を加えて25 ℃で1時間培養し、基質を加えて発色させ、プレートリーダーで吸光度を測定した。CⅡ特異的免疫反応 Day 32にCIAマウスから回収した脾臓をプランジャーですり潰し、10% FBS/RPMIで懸濁してsingle cell suspensionを作成した。その後96-well round plateに5×105 cells/wellで播種し、60 μg/mLのCⅡを加え72時間培養した。その後、上清を回収しIFNγをELISA(R&D Systems)で測定した。SplenocytesにWST-8またはBrdU(Roche)を加え、2-4時間培養後、ELISAによる、450 nm波長を蛍光プレートリーダーで測定した。統計解析 Prism 8を用いて解析と作図を行った。実験結果は平均±標準誤差で記載し、統計学的解析は、t検定、One-way ANOVA法とDunnett法によるpost hoc解析、Two-way ANOVA法とTurkey法によるpost hoc解析を行った。p<0.05を統計学的に有意差ありとした。ライブラリー化合物のHTSデータを利用したSAR解析 INH #1は15万種類のスクリーニングライブラリー中に基本骨格を共通とする化合物が886種類存在した。類似化合物同士の構造活性相関を評価し、許容される合成展開の方向を検討する参考とした。INH1 #1が属するC4-N-cyclohexyl属の10種類の化合物のうち、HTSデータにおけるactive(Hit)とinactiveの化合物構造を示す(図1)。14

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