臨床薬理の進歩 No.44
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m2,2G (RT:4.00)図5 修飾核酸とその安定同位体のLC-MS/MSクロマトグラムヌクレオシドの直接重水素化を採用した12)。合成を行った修飾核酸の安定同位体は17種(C-d2、D-d4、Cm-d3、m3C-d3、m5C-d3、m3U-d3、m5U-d3、Am-d3、m1I-d3、m7I-d3、ac4C-d3、m1G-d3、m2G-d3、m7G-d3、m22G-d6、g6A-13C2,15N、t6A-13C4,N15)である。すべての化合物について分取精製ののちNMR、HRMSにて化合物同定を行い、単一化合物であることを確認した。 用意できた19種の修飾核酸および安定同位体について分析対象と定め(図4)、MS検出条件ならびにLC分離条件の最適化を行った。SRM条件、Collision Energy、RF Lensの最適化の詳細は省略するが、各修飾核酸および安定同位体は良好な分離およびクロマトグラムを示した(図5)。 続いて、検量線作成を行った。修飾核酸の各濃度点の標準液を用いて検量線を作成し、良好な直線性を示した。また、厚生労働省の提示するバリデーションガイドラインにおいて、検量線は6濃度点以上かつ各濃度点での真度・精度が±15%以内、定量下限では±20%以内であることと定められている。本定量系は修飾核酸19種すべてにおいてこれを満たした。 本定量系のヒト血漿中における測定再現性を確認するため、添加回収試験を実施した。しかし、内因性物質に対する添加回収試験の規定は存在していない。そのため、ここでは厚生労働省の提示するバリデーションガイドラインを参考に、真度における理論値の定義を改変し、評価を行った。      実測値      真度= 1−      理論値(添加濃度+血漿中濃度)標準偏差(実測値)精度=       実測値   2727

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