臨床薬理の進歩 No.44
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p=1/(1+e^(−(−5.37+a))) ……………………(1)考  察図6 肺がん診断モデル式から算出したROC曲線(1-Methyladenosine、N4-Acetylcytidine、N2,N2-Dimethylguanosine、N6-Methyladenosineの4種の修飾核酸の濃度を診断モデル式に代入し、カットオフ値=0.5395を閾値として判定する。感度84.0%、特異度88.9%、精度86.0%、AUC 0.936) n=3の測定を行い測定内および測定間における評価を行った。本定量系は修飾核酸19種が、測定内および測定間において4濃度点での真度・精度が±15%以内、定量下限では±20%以内であることを満たした。 構築した修飾核酸一斉定量系を用いて、東北大学病院の肺がん患者101人とボランティアによる健常成人70人の血漿検体を測定した。得られた19種の修飾核酸の血漿中濃度のうち、患者群と健康成人群を区別できる肺がんバイオマーカー候補となりうるものを、変数増減法(Stepwise procedure)によって選定し、1-Methyladenosine、N4-Acetylcytidine、N2,N2-Dimethylguanosine、N6-Methyladenosineの4種の修飾核酸が選定された。 続いて、選定された4種の修飾核酸を用いてロジスティック回帰分析を行った。トレーニングセットを用いた肺がん診断モデルの予測式は(1)(2)となった。a=0.0531×(m1A)+0.00952×(ac4C)+0.349×(m2m2 G)−22.8×(m6A)+0.0861×(年齢)+(性別)(F=0.370, M=−0.370)+(喫煙歴)(有=1.22,無=−1.22)……(2) ここで、感度が陽性的中率、特異度が陰性的中率、精度が陽性および陰性的中率といえ、精度の値が最も高くなる点での閾値をカットオフ値とする(カットオフ値=0.5395)。 トレーニングセットにて構築された診断モデル式およびカットオフ値をバリデーションセットへと当てはめる。すなわち、バリデーションセットサンプルの測定値から(1)式のp値を算出し、p値が0.5464以上の時、肺がん患者であると判定される。この判定の正解率から感度、特異度、精度、AUCが求められ、これが本診断モデルの評価となる。結果として、本診断モデルの感度、特異度、精度、AUCはそれぞれ 84.0%(21/25)、88.9%(16/18)、86.0%(37/43)、0.936となった。バリデーションセットにおけるROC曲線を図6に示す。 さらに、限られた検体数で診断モデルの評価を行うため、交差検証を行った。ここでは、1群のサンプル数が20付近となる、4分割での交差検証法を採用した。4分割したトレーニングセットとバリデーションセットを入れ替えながら、4回の繰り返し解析を行った(図7)。得られる4回の結果を平均化した感度、特異度、精度、AUCはそれぞれ 89.0%、81.3%、85.9%、0.920となった。構築された診断モデルの結果と比較した際に、ほぼ同等の結果を示した。 合成した修飾核酸の標品および安定同位体を用いた本定量系は、厚生労働省の提示するバリデーションガイドラインにおける、「検量線」と「真度と精度」の項目について条件を満たした。このことから、合成した安定同位体は補正能力が十分であり、本定量法は19種の修飾核酸について精確かつ再現性1-特異度28

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