臨床薬理の進歩 No.44
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2G) ② ③ ④ ② ③ VS ④ ① ③ ④ ① ③ VS ④ ① ② ④ ① ② VS ④ ① ② ③ ① ① ② ② ③ ③ ④ ④ 健常成人群 Training Set 選定された修飾核酸 1-Methyladenosine(m1A) N4-Acetylcytidine(ac4C) N2,N2-Dimethylguanosine(m2N6-Methyladenosine(m6A) Validation Set 謝  辞利益相反図7 交差検証法による肺がん診断モデルの評価患者群と健常成人群を無作為にそれぞれ①②③④の4グループに分ける。3グループをトレーニングセットとして予測モデル式を算出し、残り1グループをバリデーションセットとして感度、特異度、精度、AUCを算出する。トレーニングセットとバリデーションセットを入れ替えながら4回の繰り返し解析を行い、得られた4回分の結果を平均化し、診断モデルの妥当性を評価した。の高い測定が可能である。 本研究で構築した肺がん診断モデルは、感度、特異度、精度、AUCすべてのパラメーターで既存のがんバイオマーカーと比べて遜色がなく、特にAUCに関して、0.9を上回る診断法はとても優れていると評価される。現在肺がんバイオマーカーとして報告されているCEA 13,14)、SCAA 14)、bFGF 14)、CYFRA 21-1 13)のそれぞれの判別能と比べても、本診断モデルが有用であることがいえる。 この結果をもたらした要因として、精密定量の実現と定量項目の豊富さが挙げられる。多くの修飾核酸がバイオマーカーとして見出されたことが診断モデルの向上につながったといえる。 構築した診断モデルの妥当性の確認として、交差検証も行った。交差検証から得られた結果が、構築したモデルと同等の評価であることが示され、本診断モデルの結果は妥当であったといえる。 以上、構築した分析系が19種の修飾核酸量を高精度に評価できること、そして新たな肺がん診断の可能性を示すことができた。今後は本測定系を用いてがんをはじめ様々な疾患の診断法への応用を進めていきたい。 本研究の遂行にあたり、臨床検体をご提供頂き、研究相談においても多大なるご指導を頂きました東北大学病院呼吸器内科・沼倉忠久先生、宮内栄作先生、突田容子先生、杉浦久敏先生に厚く御礼申し上げます。また、研究助成を賜りました公益財団法人臨床薬理研究振興財団に心より感謝申し上げます。 本研究に関して開示すべき利益相反はありません。29交差検証(k-分割交差検証) 患者群 ① ② VS ③ 予測式 1 結果 1 平均化 予測式 2 結果 2 感度   89.0% 特異度   81.3% 85.9% 精度    AUC 0.920 予測式 3 結果 3 予測式 4 結果 4

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