臨床薬理の進歩 No.44
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1oahc :erusaeMnoitcaferaR 00結  果はアダプター配列、*印の部分はマルチプレックスのためのインデックス配列である。 PCR産物を得た後はIon Torrent(Thermo Fisher Scientific)のシステムに従ってライブラリーの作成・精製を行った。最終的にはIon 318 Chip Kit v2 BCにライブラリーを充填して、Ion PGMでシーケンスを施行した。そして、シーケンスによって得られたリードをMicroSEQ IDデータベースおよびGreengenesデータベースにマッピングを行うことで菌種を同定した。 なお、本研究に関して開示すべき利益相反はない。 腸内細菌叢の多様性を考えるにあたってα多様性という概念がよく知られている。これは1つの検体の内部における種の多様性を意味する概念であり、代表的な指標としてChao1指標がある。Chao1指標が高値であるほどその検体内で種が豊富であることを意味する。そしてシーケンスのリード数に応じてChao1指標などのα多様性の指標をプロットしたものが希薄化曲線であり、今回の我々の結果を「図1」に示す。ここでは科(family)レベルでの結果を示している。横軸がリード数、縦軸がChao1指数、1本の線が1つの検体由来の結果を示しており、患者1~30の30検体に由来する30本の線が引かれている。今回の我々の解析では各検体につき最低20,000リード以上がマップされたが、このリード数において希薄化曲線は十分プラトーに達している。このことは、我々が今後この結果を用いて行う解析は十分なリード数が取得されたシーケンス結果に基づいたものであるこということを担保している。3333605040302010図1 希薄化曲線(科レベル)横軸:リード数縦軸:Chao1指数1本の線が1つの検体由来の結果を示す。患者1~30の30検体の結果である。20004000Sequences Per Samplechao1: SampleID6000800010000

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