臨床薬理の進歩 No.44
53/235

01gol( 量現発子伝遺的対相連関のと性受感疹薬症重連関薬冒感量現発子伝遺的対相)Ppp感冒薬関連重症薬疹感受性バリアント(上位100か所)53 SNPsHLA-A発現量と相関するバリアント(上位100か所)トームデータを統合して得られた発現量的形質遺伝子座解析(expression quantitative trait loci; e-QTL)によって、バリアントと遺伝子発現量との相関に関する網羅的な情報を取得することができる。本研究では、GTEX portal databaseを用いたe-QTL解析を、HLA-AおよびBRD7を対象として実施した。HLA-Aに位置するバリアントは、その多くがHLA-A遺伝子発現量との強い相関を示していた。非常に興味深いことに、HLA-A近傍に位置し、本研究によって感冒薬関連重症薬疹の疾患感受性との強い関連を示したバリアントの多くが、HLA-A遺伝子発現量とも強く相関していた(rs12202296: p = 2.9×10-17)(図2)。 同様に、BRD7近傍において感冒薬関連重症薬疹の疾患感受性との強い関連を示したバリアントもまた、BRD7遺伝子発現量とも強く相関していた(rs6500265: p = 0.000018)(図2)。図2 感冒薬関連重症薬疹感受性バリアントの遺伝子発現量への寄与HLA-Aにおける感冒薬関連重症薬疹感受性バリアントの多くは、HLA-A発現量との相関を示す(A、B)。感冒薬関連重症薬疹感受性バリアントを対象としたe-QTL解析(C、D)。重症薬疹に寄与するHLAアリルを対象とした機能解析系構築 重症薬疹の疾患感受性に対して最も強い関連を示す遺伝子は、どの薬物を原因とする重症薬疹においても、6番染色体短腕のHLA class I遺伝子領域である。遺伝子産物であるHLA class I分子は体内のほぼすべての細胞に発現し、細胞傷害性T細胞のT細胞抗原受容体へ抗原ペプチドを提示することによって、様々な免疫応答に寄与する。重症薬疹においては、HLAアリルの違いによるHLA分子の構造や細胞表面発現量への影響が重症薬疹発症の原因と想定されるが、その詳細は不明である。 著者らの研究グループでは、感冒薬関連重症薬疹をターゲットとしてゲノム解析を進めてきた。これまでに、HLA-A*02:06が感冒薬関連重症薬疹と関連することを明らかにしてきたが、異なる薬6番染色体上の位置(末梢血)(末梢血)39

元のページ  ../index.html#53

このブックを見る