臨床薬理の進歩 No.44
61/235

)Lm/gn(ンミブルア(A)位相差アルカリフォスファターゼ染色(B)結  果7006005004003002001000ホモ ARHホモ ARHホモ ARHヘテロ・ホモARH患者から樹立したiPS細胞由来肝細胞の機能評価 ヘテロ・ホモARH患者の末梢血単核球から作製したiPS細胞について、アルカリフォスファターゼ染色から未分化能を確認した(図2A)。肝細胞作製後、肝細胞分化の指標であるアルブミン産生能について確認した(図2B)。ホモARH患者由来iPS細胞から作製した肝細胞では、健康成人由来肝細胞に比較してLDLR蛋白質の発現量は有意に低下していたが、ヘテロARHとホモARH由来肝細胞における発現に差は認められなかった(図3A、C)、LDLRAP1蛋白質の発現量については、健康成人、ヘテロARH、ホモARHの順に低下した(図3A、D)。肝細胞からのPCSK9蛋白質の分泌については、ネガティブコントロールである培地中のPCSK9蛋白質量と同程度であったことから、分泌量は非遺伝性高コレステロール血症患者由来iPS細胞を用いた病態再現の試みヘテロ ARHヘテロ ARHヘテロ ARH図2 ヘテロ及びホモARH患者由来iPS細胞及び肝細胞の評価(A)各iPS細胞の位相差(10x)、アルカリフォスファターゼ染色像(4x)、(B)肝細胞のアルブミン産生量(平均値±SEM、n=6)常に少ないことが予想された(図3B)。各肝細胞におけるBODIPY-LDLの取り込みは、Lovastatin添加により増加した。また、ホモARH患者由来iPS細胞から作製した肝細胞におけるBODIPY-LDLの取り込みは、ヘテロARH患者由来肝細胞に比較して低下したが、Lovastatin処理時では両者に差は認められなかった(図4)。ヘテロ及びホモFH患者から樹立したiPS細胞由来肝細胞の機能評価 健康成人、ヘテロ及びホモFH患者の末梢血単核球から作製したiPS細胞について、アルカリフォスファターゼ染色及び未分化マーカー遺伝子(NANOG、OCT3/4、SOX2)の発現解析から未分化能を確認した(図5A、B)。肝細胞作製後、肝細胞分化の指標であるアルブミン産生能について確認した(図5C)。各肝細胞において、LDLR、PCSK9蛋白質の発現量に差は認められなかった(図6)。4747

元のページ  ../index.html#61

このブックを見る