臨床薬理の進歩 No.44
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図1 尿中エクソソームに内包されるmiRNAを用いたsubclinical rejectionを検出するバイオマーカーの開発腎移植後3カ月プロトコル生検の病理診断結果No rejection(n=50)Subclinical TCMR(n=12)Discovery cohortmiRNA arrayanalysis(n=6)Validation cohort 特定のmiRNAをRT-PCRで定量(n=56)結  果で保存した。尿検体からのエクソソーム抽出には、miRCURY Exosome Cell/Urine/CSF Kit(Qiagen)を用い、尿検体3 mLからエクソソームを分離し、miRNAを含むtotal RNAの抽出には、miRNeasy Mini Kit(Qiagen)を用いた。total RNAよりmiRCURY LNA RT Kit(Qiagen)を用いてcDNA合成を行い、RT-PCR法にてmiRNA発現量を定量した。 Discovery cohortでは、SurePrint G3 miRNAマイクロアレイキット8×60K(Agilent Technology社)を用いてmiRNAアレイ解析を行い、no rejectionまたはsubclinical TCMRと診断された患者間で2倍以上の発現変動が認められたmiRNAをvalidation cohortにおいて測定した。Validation cohortでは、各miRNAの特異的プライマーにはmiRCURY LNA miRNA PCR Assayを用い、miRCURY LNA SYBR Green PCR Kit (Qiagen)にて定量を行った。miR-16-5pを内部標準として、ΔΔCt法により相対的発現量を算出した。統計解析 miRNA遺伝子発現量は、対数(log10)で示し各発現量の平均値が0となるように標準化を行った。2群間比較は、連続変数にはMann-Whitney U test、カテゴリー変数にはFisher’s exact test を用いて比較した。統計解析には、GraphPad Prism 9.4.0を用い、p<0.05を有意差ありと判断した。バイオマーカーの有用性評価には、診断名を目的変数としたロジスティック回帰分析を用いreceiver operating characteristic(ROC)曲線を描き、曲線下面積(AUC)を算出した。患者背景 本研究では、同意を取得した62名を対象に検討を行った。腎移植後3カ月プロトコル生検の病理診断でno rejectionと診断された患者は50名、subclinical TCMRと診断された患者は12名、subclinical ABMRと診断された患者はいなかった。研究手順について図1に示す。尿中エクソソーム内miRNAのアレイ解析 腎移植後3カ月におけるプロトコル生検日の尿検体を用い、miRCURY Exosome Cell/Urine/CSF Kit(Qiagen)にてエクソソームを分離しナノサイト解析を実施した。また、エクソソームのマーカーであるalixをwestern blottingにて検出しており、解析の品質管理を担保した。Discovery cohortでは、miRNAアレイキットを用いmiRNAの網羅解析を行った。その結果36種類のmiRNAが検出され、腎移植後3カ月のプロトコル生検において、no rejectionと診断された患者とsubclinical TCMRと診断された患者において2倍以上の発現変動が認められたmiRNAは3種類(miR-X、miR-Y、miR-Z:未発表のため公表せず)であった。Subclinical TCMR診断バイオマーカーとしての有用性評価 Validation cohortでは、RT-PCR法を用いて56

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