臨床薬理の進歩 No.44
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1010ii10i量現発ANRm内ムーソソクエ中尿量現発ANRm内ムーソソクエ中尿量現発ANRm内ムーソソクエ中尿ytivitisneS1.00.80.60.40.20.00.00.20.40.60.81.0-1-23種類のmiRNAの定量を行った。No rejection群47名とsubclinical TCMR群9名で比較検討した。その結果、miR-Yがsubclinical TCMR群において特徴的な発現パターンを示し、no rejection群と比較して有意な発現の低下を認めた(図2)。次にmiR-X、miR-Y、miR-Zを用いてsubclinical TCMR群診断の予測性を示すAUCを算出した。その結果miR-X、miR-Y、miR-ZのAUCはそれぞれ0.534(95% CI, 0.339-0.728)、0.744(95% CI, 0.562-0.927)、0.619(95% CI, 0.414-0.824)を示した(図3)。現在、腎移植後12カ月プロトコル生検時の尿検体を用いp=0.7588No Rejection図3 尿中エクソソーム内miR-YにおけるROC曲線miR-XmiR-YAUC = 0.744 -1-2p=0.0197Subclinical TCMR図2 Validation cohortにおける尿中エクソソーム内miRNA発現量の比較腎移植後3カ月プロトコル生検においてno rejection(n=47)およびsubclinical TCMR(n=9)と診断された患者の尿中エクソソーム内miRNA発現量の比較。箱は四分位範囲、箱中の横線は中央値、ひげは最小値または最大値の範囲を示す。miR-Y-1-2て、これら3種類のバイオマーカーの推移について解析を行っている。 本研究では、腎移植患者から採取した尿エクソソームに内包されたmiRNAを用いたmiRNAアレイ解析により、subclinical TCMRと診断された患者に特徴的なmiRNAを探索し、その有用性について検証を行った。miRNAアレイ解析から3種類のmiRNA(miR-X、miR-Y、miR-Z)が、subclinical TCMRの診断予測バイオマーカーの候補として抽出された。56名の尿検体を用いた検討の結果、尿エクソソームに内包されたmiR-Yの発現量は、no rejectionと診断された患者よりもsubclinical TCMRの患者で発現が低いことが明らかになった。尿エクソソームに内包されたmiR-Yは、さらなるvalidation試験が必要であるものの、subclinical TCMRに関する高い予測能を有するということが示唆された。またmiR-Yは非侵襲的なsubclinical rejection診断のバイオマーカーとなるだけでなく、関連が推察されるパスウェイを足掛かりにsubclinical rejectionの病態をより深く解明することにも役立つものであり、今後miRNAが制御する遺伝子やタンパク質との関連を検証することが考  察p=0.2697Subclinical TCMRNo RejectionmiR-Z腎移植患者におけるsubclinical rejectionを検出する非侵襲的なバイオマーカーの開発Subclinical TCMRNo Rejection571 -Specificity

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