ABCD対照群タクロリムス群病理学的解析 腎臓サンプルは、4%パラホルムアルデヒド(ナカライテスク)で固定後、パラフィン包埋した。パラフィン包埋下組織は5 μm厚のスライスに切り出しを行った後、マッソン・トリクローム染色を行った。メタボローム解析 凍結保存したマウス腎臓試料は50%アセトニトリル水溶液を破砕用チューブに加え、冷却下にて破砕機を用いて破砕(1,500 rpm、120秒×3回)し、さらに同量の50%アセトニトリル水溶液を加えた。組織破砕後、遠心(2,300×g、4 ℃、5分)を行った。遠心後、上澄みを限外ろ過チューブ(ウルトラフリーMC、PLHCC、HMT、遠心式フィルターユニット 5 kDA)に移し取った。これを遠心(9,100×g、4 ℃、120分)し、限外ろ過処理を行った。ろ液を乾固させ、再びMilli-Q水に溶解して測定に供した。キャピラリー電気泳動・フーリエ変換型質量分析計図2 マッソン・トリクローム染色による腎組織線維化評価マウスの腎組織に対するマッソン・トリクローム染色の結果を示す。(A)と(B)は対照群の病理所見を示し、(C)と(D)はタクロリムス群の病理所見を示す。(B)は(A)内の四角に囲まれた部分を拡大した図であり、(D)は(C)の拡大図である。(D)内の矢印は線維化した部位を示す。((A)、(C):スケールバー = 500 μm、(B)、(D): スケールバー = 100 μm)。(CE-FTMS)で検出されたピークは、自動積分ソフトウェアのMasterHands ver.2.19.0.2を用いて抽出し、質量電荷比(m/z)、ピーク面積値、泳動時間(Migration time: MT)を得た。得られたピークは、次の式を用いて相対面積値に変換した。:相対面積値= 目的ピークの面積値/内部標準物質 の面積値×試料量。 階層的クラスタリンング解析とヒートマップ表記で用いた各サンプルのZスコアは次の式で算出した。:Zスコア= (各サンプル値(x)−代謝物の測定 平均値(μ))/各代謝物の標準偏差(δ)。Quantitative PCR (qPCR) まず、RNeasy® Mini kit(QIAGEN®)を用いて、凍結保存した腎臓組織から製品プロトコールに従ってトータルRNAを抽出した。次にトータルRNAをRevertra Ace® qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(TOYOBO)を用いてcDNAに変換127127
元のページ ../index.html#141