臨床薬理の進歩 No.45
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)%tnI( ytisne①300 x g, 10 min, 4 oC②2,000 x g, 20 min, 4 oC③10,000 x g, 30 min, 4 oC④100,000 x g, 70 min, 4 oC⑤Filtration with 0.22 µm filter⑥100,000 x g, 70 min, 4 oCSize (nm)図3 ヒトBeWo細胞及びマウス血漿からの細胞外小胞の単離方法及び性状解析方  法遠心法細胞外小胞ゼータサイザーによる粒子径の解析エクソソームをサロゲートマーカーとして用いた胎盤関門の薬物輸送機能予測法の基盤を構築することを目的とした。細胞膜画分及び細胞外小胞の精製 本研究では、ヒトin vitro胎盤関門モデル細胞として世界的に汎用されている、ヒト胎盤由来妊娠性絨毛がん由来の2種類の細胞株(BeWo細胞及びJEG-3細胞)を用いた。各細胞を10% FBS含有Nutrient Mixture F-12 Hamを用いて、50-80%コンフルエントになるまで培養した。胎盤関門組織を模倣するために、forskolinを添加してさらに48時間培養し、細胞膜融合を誘導した。BeWo細胞及びJEG-3細胞からの細胞膜画分は、窒素キャビテーションを用いて細胞を破砕した後、スクロースを用いた密度勾配超遠心分離法を用いて精製した。マウス胎盤組織からの細胞膜画分の精製には、ホモジナイザーと窒素キャビテーションを用いて破砕したのち、スクロースによる密度勾配超遠心分離法を用いた。細胞外小胞の精製及び性状の解析方法を、図3に示した。BeWo細胞が分泌する細胞外小胞は、細胞を血清無添加の培地を用いて培養した後、培養上清から超遠心分離によって精製した。妊娠マウス血漿由来の細胞外小胞は、妊娠満期(妊娠BeWo細胞培養上清サイズ排除マウス血漿クロマトグラフィー胎盤分泌エクソソームの輸送体発現情報に基づく胎盤関門薬物輸送機能予測法の基盤構築18日目)の血漿からサイズ排除クロマトグラフィー(qEVカラム、メイワフォーシス社)によって精製した。BeWo細胞及びマウス血漿から回収した細胞外小胞の性状は、ゼータサイザーナノZSを用いて、動的散乱光法による粒子径及び粒度分布を解析するとともに、ゼータ電位を計測した。マウスを用いた実験は、徳島大学動物実験委員会の承認に基づき、動物実験等の実施に関する基本指針に従って実施した。網羅的プロテオミクス解析 BeWo細胞、JEG-3細胞、マウス胎盤組織又はマウス血漿から回収した細胞膜及び細胞外小胞の各画分をトリプシンで消化した後、液体クロマトグラフィーを連結した高解像度質量分析装置(Orbitrap Fusion、Thermo Scientific社)によって、Data Dependent Acquisition (DDA)モードによる網羅的な分子同定を行うとともに、ラベルフリー法による相対比較定量解析を行った。タンパク質の同定・比較定量は、Proteome Discoverer2.5を用いた。BeWo細胞における輸送機能評価 網羅的プロテオミクス解析からBeWo細胞の細胞膜画分及びエクソソーム画分の両方で同定された輸送体分子の輸送機能を明らかにするため、基質の輸送活性を解析した。24 wellプレート上にBeWo135135

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