臨床薬理の進歩 No.45
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p < 0.05を統計学的に有意とした。表1 CYP3A4 variantsのミダゾラム代謝に対するエリスロマイシンおよびクラリスロマイシンのMBI キネティクス パラメータCYP3A4 WTCYP3A4.2CYP3A4.7CYP3A4.16CYP3A4.18エリスロマイシンクラリスロマイシンエリスロマイシンクラリスロマイシン エリスロマイシンクラリスロマイシン0.0694 ±0.00254*0.0525 ±0.00444*0.0348 ±0.0008080.0403 ±0.0008020.0656 ±0.00310kinact,max (min-1)KI (µM) エリスロマイシンおよびクラリスロマイシンはいずれも、CYP3A4各変異型分子種におけるミダゾラム1-水酸化活性を時間依存的に阻害した(図1)。またその不活性化速度∆kobsは濃度依存的に上昇した(図2)。各変異型分子種に対するエリスロマイシンのkinact,maxは、CYP3A4.2、.7、.16、ではそれぞれ野生型の0.76、0.50、0.58と、変異型では最大不活性化速度が低下した(表1)。一方KI値に関しては、CYP3A4.7と.18ではそれぞれ野生型の0.76倍、0.86倍と不活性化強度が上昇したのに対して、CYP3A4.2、.16では1.68倍、2.69倍と、不活性化強度が減弱した。クラリスロマイシンのkinact,maxは、エリスロマイシンの場合と同様にCYP3A4.2、.7、.16で低下した(0.76倍、0.61倍、0.33倍vs野生型)。またKI値は、CYP3A4.7、.18ではエリスロマイシンと同様にそれぞれ0.37、0.83倍低下、すなわち不活性化強度が上昇し、CYP3A4.16では1.45 倍と不活性化強度が減弱した。 本研究でミダゾラムを基質として得られたエリスロマイシンとクラリスロマイシンのMBI パラメータを、テストステロンを用いて検討した我々の既報9)の結果とともに、野生型に対する相対値として図3結  果kinact,max/KI (min-1・µM-1)カラムオーブンの温度は42 ℃とした。ISとしてニトラゼパムを用いた内標準物質法により、ピーク面積比で濃度を測定した。各阻害剤によるCYP3A4分子種の代謝阻害パラメータの算出 代謝速度の対数とpreincubation時間との関係から、各阻害剤濃度における酵素の不活性化速度定数(kobs)を求め、この値から阻害剤非添加時の不活性化速度定数(kinact(0))を差し引いて∆kobsとした。阻害剤濃度([I])と∆kobsとの関係に、非線形最小二乗法を用いて下式(Eq.1)を当てはめ、最大不活性化速度定数(kinact,max)および最大不活性化速度の1/2の不活性化をもたらす阻害剤の濃度(KI)を算出した。統計解析 CYP3A4各変異型分子種におけるミダゾラムまたはテストステロン代謝活性に対するエリスロマイシン、クラリスロマイシンのkinact,max値とKI値の相関関係をSpearmanの順位相関係数にて評価した。また、ミダゾラムとテストステロンの基質間における変異型分子種ごとのkinact,max値およびln KI値の統計解析は、Studentのt 検定を用いた。∆kobs = kinact,max・[I]⋯ Eq.1[I]+KI0.0589 ±0.002780.0446 ±0.00238*0.0361 ±0.003140.0196 ±0.002010.0575 ±0.00399*0.677(0.581〜0.789)*1.14(1.00〜1.29)0.512(0.376〜0.698)1.82(1.13〜2.96)0.580(0.438〜0.769)*1.85(1.57〜2.17)1.83(1.51〜2.21)0.689(0.464〜1.02)2.69(2.35〜3.09)1.53(1.27〜1.86)*0.103 ±0.01350.0323 ±0.005660.0247 ±0.004650.0549 ±0.0463 ±0.007090.0705 ±0.02140.02030.00734 ±0.0239 ±0.009830.116 ±0.02490.001350.0379 ±0.00713kinact,max値はarithmetic mean±S.D.、KI値はgeometric mean(-1S.D.〜+1S.D.) を表す。n=5。*p < 0.05(vs テストステロン(ref9))kinact,max/KIはarithemetic mean±S.D.。146

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