臨床薬理の進歩 No.45
17/222

表1 患者背景年齢性別ECOG PS 体重7BMI (kg/m²)< 18.59 18.5–2519(14.2–24.5) 中央値 (範囲)10体重減少率 (%)5–10610–20 7.6  中央値 (範囲)7Ⅱ/Ⅲ病期9Ⅳ/再発 131次治療化学療法3 2次治療mFOLFIRINOX10レジメン4GEM+nabPTX  GEM2CRP (mg/L)中央値 (範囲)Hb (g/dL)中央値 (範囲)中央値 (範囲)Alb (g/dL)ECOG PS:パフォーマンスステータス、CRP:C反応性蛋白、Hb:ヘモグロビン、Alb:アルブミン、GEM:ゲムシタビン、nabPTX:アルブミン懸濁型パクリタキセル結  果10-Plex panel(171A7001M、Bio-Rad、Hercules、USA)、血中IL-1β、IL-6、TNF-αはBio-Plex Pro human Cytokine 17-plex panel(M5000031YV、Bio-Rad)を用いて、各プロトコールに従って測定した。採取した血液検体は、直後に3,000 g、4 ℃で10分間遠心分離し血漿を分取、-80 ℃で凍結保存した。測定時は、融解後に10,000 g、4 ℃で10分間遠心分離し、その上清を使用し測定を行った。有害反応の評価 アナモレリンの代表的な有害反応として高血糖の調査を実施した。本研究で対象とする進行期膵癌患者は、病勢進行に伴い膵性糖尿病を発症する可能性がある。アナモレリン内服後の高血糖と膵性糖尿病を区別するため、アナモレリン内服後1ヶ月以内の血糖値推移、インスリンを含む血糖降下薬の変更を調査した。高血糖の重症度は、Common Terminology Criteria for Adverse Events v5.0を用いて以下のように評価した。Grade 1: 血糖値がベースラインを超える。 内科的治療を要さない。Grade 2: 糖尿病に対する日常管理の変更を要する。経口血糖降下薬を要する。Grade 3:インスリン療法を要する。入院を要する。Grade 4:生命を脅かす。緊急処置を要する。Grade 5:死亡統計解析 統計解析は、2群間の比較にはunpaired t-test、paired t-test、Mann-Whitney test、Fisher’s exact testを用いた。2群間における反復測定分散分析にはOne-way ANOVA using a mixed-effects model followed by Holm-Sidak’s post hoc test を用いた。独立変数による治療効果および有害反応の予測能の評価にはReceiver Operating Characteristic (ROC)解析を用い、cut-off値はyouden indexを用いて決定した。統計解析は、GraphPad Prism 10 (GraphPad Software、San Diego、USA)を使用した。患者背景 同意取得患者23名のうち、アナモレリン内服を1ヶ月以上継続した患者16名を有効性解析の対象とした。除外した7名のうち、6名は緩和ケア移行に伴う転院により内服継続が不明となり、1名は患者希望により中止した。 対象患者のアナモレリン開始時の患者背景を表1に示す。年齢中央値は67.5歳、男性が10名(62.5%)、BMIは18.5未満の患者が7名(43.8%)、過去6ヶ月間での体重減少率は、5-10%の減少が10名(62.5%)、10-20%の減少が6名(37.5%)であり、中央値は7.6%であった。13名(81.3%)が1次治療を開始時もしくは実施中にアナモレリンを開始し、残り3名(18.7%)は2次治療中であった。使用されたレジメンはmodified FOLFIRINOXが10名(62.5%)、Gemcitabine(GEM)+ nab-Paclitaxel(nab-PTX)がn = 16中央値 (範囲)男性0–1≧ 2中央値 (範囲)67.510151(48–81)62.5%93.8%6.3%48.1(38.2–75.1)43.8%56.3%62.5%37.5%(5.1–18.9)43.8%56.3%81.3%18.7%62.5%25.0%12.5%0.30 (0.02–5.29)10.7(9.4–14.8)(2.6–4.5)3.533

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る