臨床薬理の進歩 No.45
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4th4th12345678骨112121114th6th4th4th5th3rd表1 カボザンチニブ投与患者の背景年齢症例(性別)80(男性)60(男性)72(男性)60(男性)44(男性)70(男性)64(男性)76(女性)結  果治療ライン病理組織淡明細胞癌淡明細胞癌淡明細胞癌淡明細胞癌淡明細胞癌淡明細胞癌淡明細胞癌淡明細胞癌IMDCリスク分類(予後予測)IntermediateIntermediate 肺、骨、リンパ節IntermediateIntermediateIntermediate 肺、骨、リンパ節Intermediate 肺、肝臓、骨、Intermediate脳、リンパ節Intermediate肺、リンパ節ECOG転移巣PS(全身状態)肺、骨肺、脳肝臓、骨ピアソンの相関係数の検定を用いて解析した。カボザンチニブの血中濃度と副作用との関連について、独立2群における中央値の差の検定はMann-Whitney U検定を用いて解析した。患者背景 2021年3月から2022年8月までに本研究への参加の同意を取得できた患者を登録し、フォローアップ期間を2022年12月31日までとして解析した。本研究の対象患者は8例であった。対象患者は87.5%が男性(7例)、女性が12.5%(1例)であり、年齢中央値は67歳(44-80歳)、治療ラインの中央値は4(3-6)であった(表1)。すべての対象患者において、病理組織分類は淡明細胞癌であり、International Metastatic Renal Cell Carcinoma Database Consortium (IMDC)予後予測分類はIntermediateであった(表1)。対象患者のEastern Cooperative Oncology Group Performance Status (ECOG PS)に関しては、PS1が6例、PS2が2例であった。薬物血中濃度と抗腫瘍効果の関連解析 カボザンチニブの開始用量は40 mgが5例(62.5%)、20 mgが3例(37.5%)であった。カボザンチニブによる奏効率は、最大奏効がPR1例(12.5%)SD6例(75.0%)、PD1例(12.5%)であった。PD、SD、PRを得た各患者のカボザンチニブの平均トラフ血中濃度は、それぞれ232、484、758 ng/mLであった(表2)。また、有害反応のため治療中止となった患者は4例(50.0%)であった(表2)。カボザンチニブ血中濃度と奏効率の相関性を検討したところ、血中カボザンチニブトラフ濃度が高いほど、腫瘍縮小率が増大する有意な正の相関を認めた(R=0.74、p=0.03)(図1)。薬物血中濃度と有害反応の関連解析 カボザンチニブ投与による有害反応が発現した患者は、食欲不振6例(75.0%)、疲労6例(75.0%)、2323

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