臨床薬理の進歩 No.45
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..i .i 00i .i 00.i 0.i 0≧G1(n=5)≧G1G1(n=6)≧G1(n=6)≧G1(n=7)≧G1(n=4)≧G1(n=6)Conc.:concentrationConc.:concentrationG:grade according to Common Terminology Criteria for Adverse Events ver. 5.0。箱の中央:中央値。箱の上下:25および75パーセンタイル値。ひげの上下:10-90パーセンタイル値。)Lm/gn(cnoCbnitnazobaC)Lm/gn(cnoCbnitnazobaC)Lm/gn(cnoCbnitnazobaC)Lm/gn(cnoCbnitnazobaC)Lm/gn(cnoCbnitnazobaC)Lm/gn(cnoCbnitnazobaC1000800600400200100080060040020010008006004002001000800600400200図2 カボザンチニブ濃度と有害事象10008006004002001000800600400200G0(n=2)G0(n=2)G0G0(n=2)G0(n=4)G0(n=3)G0(n=1)(a)食欲不振(d)AST 上昇治療効果のモデリング研究では、カボザンチニブの平均用量40 mgにおいて、カボザンチニブ血中濃度は750 ng/mLと報告されており5)、この750 ng/mLをカットオフとして検証した異なる海外における腎細胞がん患者におけるカボザンチニブの血中濃度と治療効果の相関の報告6)では、治療効果との有意差は示されておらず、今後もカボザンチニブの治療域の探索は必要であると考えられる。 また、カボザンチニブの血中濃度と有害反応において、カットオフ値は617 ng/mL以上と報告されている3)。本検討では有害反応の非発現患者と比較して有害反応の発現患者ではカボザンチニブ血中濃度が高い傾向が示されたが、少数例の解析であり、本結果では、毒性域の同定には至らなかった。 さらに、カボザンチニブは主に肝薬物代謝酵素であるCYP3A4で代謝されるため、CYP3A4の遺伝子多型が血中濃度に影響する可能性がin vitro(b)疲労(e)ALT 上昇で報告されている7)。欧米人とのカボザンチニブ濃度の差はこのCYP3A4の遺伝子多型が影響する可能性が考えられるため、今後は薬物動態関連遺伝子多型を含めた解析が必要である。 本検討より、日本人における進行腎細胞がん患者において、カボザンチニブのTDMは治療の投与指針の一助になる可能性を示した。今後は、さらなる症例の集積を行い、治療域と毒性域の探索を行い、カボザンチニブの個別化投与法の確立を行う。 本研究を実施するにあたり、研究助成を賜りました臨床薬理研究振興財団に深く感謝申し上げます。また、これまでに研究協力を頂きました滋賀医科大学医学部薬物治療学講座教授の森田真也先生、准教授の池田義人先生、大学院生の道家(c)手足症候群(f)甲状腺機能低下症謝  辞カボザンチニブの薬物動態に基づく個別化投与法の確立2525

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