6 30年のあゆみ ー 30周年記念 行事/記念式典 ーJ APAN RESEARCH私は当財団の理事長を務めております鈴木正でございます。30周年記念の式典の開催に当たりまして一言ご挨拶を申し上げます。本日は、皆様方にはご多用の中、当財団の30周年記念式典にご出席を賜り誠にありがとうございます。また日頃より当財団の運営に関しましてご協力・ご支援を賜り、重ねて厚く御礼を申し上げます。さて当財団は、第一製薬株式会社の創業60周年記念事業の一つとして収益の一部を提供し、1975年、すなわち昭和50年9月25日に設立されました。爾来30年、 皆様のご協力によりまして、ここまで発展してまいりましたことは大変有難く、財団設立の 企画・推進に携わったものとして、大変感慨深いものがございます。振り返ってみますと、臨床薬理学は、新薬の開発および適正な薬物治療の確立に不可欠な科学でありながら、当時は日本の大学教育制度の中で、一つの学問体系として育っておらず、先進諸外国に比べまして大変遅れており、且つ発展のための助成措置も大変少ない領域でした。このような認識と時代の要請に応え、「臨床薬理研究を奨励推進し、臨床薬理学の普及と臨床薬理研究者の育成を図る」ことを目的に、本財団の設立を意図したものでした。設立以来、毎年多くの臨床薬理研究者の研究を助成し、手前味噌ながら、わが国の臨床薬理学の振興に聊かなりとも貢献できたものと自負いたしております。ご高承のごとく、医学、薬学部の大学における臨床薬理講座の新設並びに学会認定医、認定薬剤師は、その後逐年増加し、今や臨床薬理学は薬物療法の個別化並びに適正化を実現するための実践的な学問領域としての地位を確立し、医療へのより一層の貢献が期待されております。30年前に臨床薬理学の重要性に着眼し、こういう財団の設立を企画されましたのは、今にして思えばまことに慧眼であったと存じます。30周年を迎えるに当たり、 世界に通ずる臨床薬理研究を、これまで以上に積極的に奨励・推進し、臨床薬理学の普及と臨床薬理研究者の育成に一層注力し、わが国の医療および薬物療法の進展に貢献してまいる覚悟を新たに●挨 拶臨床薬理研究振興財団 理事長鈴 木 正30周年記念 行事/記念式典FOR CLINICAL PHARMACOLOGY FOUNDATION
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