臨床薬理研究振興財団30年のあゆみ
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8 30年のあゆみ ー 30周年記念 行事/記念式典 ーJ APAN RESEARCH FOUNDATION厚生労働省大臣官房審議官、医薬品を担当しております黒川と申します。本日は、財団法人臨床薬理研究振興財団設立30周年記念式典にお招きを賜りありがとうございます。また30周年、誠におめでとうございます。わが国は、皆様ご案内の通り、世界に冠たる長寿国でございます。そこに象徴されていますことは、保険医療およびそこで活躍しております医薬品や薬物療法の基本的なレベルが極めて高い、そういうものがあると考えます。特に医薬品の分野では、例えば化学品の精密な合成や精製、製剤設計、品質管理など、こういった面、またその医薬品の開発を基礎から支える動物や細胞、遺伝子レベル、こういったものの研究、薬理学や生化学分野、これらについては極めて先端的な、世界の中でもカッティングエッジとしての役割を果たしてきたものと思います。一方、それら基礎研究の重要な成果、最終応用場面でございます臨床における研究につきましては、まさに30年前、本臨床薬理研究振興財団が設立されました背景でもございますように、わが国の科学技術レベルの中で比較いたしますと、これは抜きん出て優れた英知にあったと…当時ですが…なかなか言い切れる状況ではなかったように思われます。考えてみますと、医療に関わる様々な関係者、つまり、基礎研究のレベルから医療の第一線に至る様々な研究者、医師、薬剤師等でございますが、これらの方々は皆、病に苦しむ患者さんや家族の皆さんに、どう優れて世界レベルにある情報を提供するかということに日夜腐心しているわけです。それら一連の努力のチェインの中で、臨床薬理学の研究は、極めて欠かすことのできない重要な学問であると思います。ご案内のヘルシンキ宣言などにおきましても、生物科学的な研究はどこかでどうしても人間、ヒトにお願いをして試させていただかなければならないと述べられている通りでして、ここに臨床薬理学の重要性と、その隆盛が求められる必然があるわけです。その点で、これまで当財団において、様々な形で受賞された方々の、今日その活躍の姿があるわけでして、これに結晶されますように、本財団の貢献はこれまで極めて大きなものがあったと認識しております。またこれからももちろん頑張っていただきたいと思うわけでございます。さて、時は21世紀に移り、関連する様々な分野の発展を世界に目を向けて見るにつけても、私ども日本は、医学・薬学等の進歩について、全人類に責任を持つ立場となっております。繰り返しになってしまいますが、その点で臨床研究という基礎と応用の架け橋を、●祝  辞厚生労働省大臣官房審議官黒 川 達 夫30周年記念 行事/記念式典 FOR CLINICAL PHARMACOLOGY

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