臨床薬理研究振興財団30年のあゆみ
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J APAN RESEARCH FOUNDATION聖マリアンナ医科大学の小林でございます。12月から日本臨床薬理学会の理事長を務めさせていただいております。本日は、臨床薬理研究振興財団の30周年、本当におめでとうございます。今日は、実は非常に緊張しております。と言うのは, 私が臨床薬理の海外研修員として25〜6年前に面接試験を受けた時の試験官が前に座っておられます山村先生でございますので、そういう意味でも、今日は時の流れを感じております。本財団は1975年に創設されたということでございまして、ちょうどその頃、私も臨床薬理をやろうかなと思った頃でございますので、まさしくこの30年という時代の流れ、時の重さを感じるわけでございます。日本臨床薬理学会は、1970年に研究会から始まりまして、1980年に学会になりました。そういう経緯から考えますと、本財団が学会よりは5年、その設立が早かったということになるわけですが、ほぼ同じ時代から、車の両輪のごとく一緒にやってきたと私は認識しております。おかげさまで日本臨床薬理学会は、現在、会員数が 2,600名、認定医が 229名、認定薬剤師が 145名、最近では認定CRC、治験コーディネータが 442名ということになりまして、そういう面では、私が言うのも変ですが、非常に発展を遂げてきたと感じており、皆様のおかげと感謝しているわけでございます。ご存じのように、日本臨床薬理学会の目的は、合理的な薬物治療をいかにやるかということです。合理的な薬物治療をやるためには、3つの柱が重要であると言われています。1つは、創薬とか育薬のための臨床試験をきちっとやるということです。もう1つは、患者さんを治療する時の個別化で、そのために至適投与設計とか、薬物動態学、さらに遺伝多型などの知識が必要です。さらに最近はサイエンスとアートということから申し上げますと、やはり患者さんとの信頼関係の醸成が非常に重要になってきて、このアートの部分も学会の大きな使命であるわけです。これらのことを実現していくためには、やはり研究と人材の育成のための教育が大切で、そういう面では本財団がこれまで30年間やられてきたことをパンフレットで見せていただき●祝  辞日本臨床薬理学会 理事長小 林 真 一10 30年のあゆみ ー 30周年記念 行事/記念式典 ー30周年記念 行事/記念式典 FOR CLINICAL PHARMACOLOGY

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