臨床薬理研究振興財団30年のあゆみ
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J APAN RESEARCH FOUNDATION第一製薬の森田でございます。このたびは、臨床薬理研究振興財団が設立30周年という記念すべき日を迎えられたことを心よりお慶び申し上げます。理事長のご挨拶にありましたように、昭和50年、第一製薬創業60周年の記念すべき年に、記念事業の一環として、日本では当時大変遅れているといわれていた臨床薬理研究の振興を趣旨とし、臨床薬理学の普及と研究される方々の育成を願って本財団が設立されたと、当時から伺っております。発足から30年、私どもの期待通り、毎年多くの臨床薬理研究者の方々が、当財団の研究の奨励と助成並びに海外留学の補助等による活動を通じ、目覚しい成果を上げてこられましたことを、基金の出捐者として誠に嬉しく思います。また、このような財団の活動を本当に熱心に、心を込めて支えて下さいました歴代の理事長、理事、評議員の方々、そして事務局の方々にもこれまでのご尽力に対して深く感謝を申し上げます。さて、世界を俯瞰しますと、人口爆発諸国と少子高齢化諸国、あるいは経済的にも生活の面でも色々な形で二極化が、垣間見える今日です。この様な中で、夫々の国において健全な社会保障制度の仕組みをどういう形で作っていくか、国、政府、そして国民が難渋しているのが現状ではないでしょうか。そういう観点において、21世紀は主義主張を離れて、 全世界64億人の人々が、本当に自分たちの社会保障制度はどうあるべきかということを長い時間をかけて一つの道を探っていく世紀だろうと思います。我々が属しております製薬産業は、その様な中で一つの役割を必ず果たせるものであり、21世紀の中で先端技術、あるいは過去の大切な経験等、色々なものを積み重ね、変化に対応しながら人類の生活に貢献していく産業であろうと思っております。日本経済は、色々なイノベーションを繰り返してきましたが、製薬産業がこれからの日本のリーディング産業の一つになると確信しております。昨今のゲノム創薬、バイオテクノロジー、あるいは蛋白質化学等、科学技術の進歩は非常に目覚しく推移しており、これもやはり国際競争力の期待できる産業として、新たな製品の創造や雇用の創出等、大いに社会貢献ができ、国民から期待され、歓迎される産業として、国が標榜する科学技術創造立国の一員であること、またそうなることを強く意識して、自らの産業を成長させなければならないと思っているのが今の心境でございます。従いまして、それらを実現するキーワードは、有効性は勿論のこと、●出捐者代表祝辞第一製薬株式会社 取締役社長森 田 清12 30年のあゆみ ー 30周年記念 行事/記念式典 ー30周年記念 行事/記念式典 FOR CLINICAL PHARMACOLOGY

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