臨床薬理研究振興財団30年のあゆみ
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臨床薬理研究振興財団ー 30周年記念 行事/記念講演 ゲノム時代の臨床薬物治療学と創薬 ー 30年のあゆみ 21どということを話せるような立場に私はおりませんが、少なくとも principleの治療学であるとか、あるいは患者さんが求めるものは、よく言われることですが、診断ではなくて治療であるという、ことを共有するものだと私は思っております。私は臨床薬理というよりも臨床薬物治療学と、少し控えめにお話をさせていただきたいと思います。■■■ ゲノムについて ■■■ゲノムと病気のことを初めとして、最近のキーワードであるテーラーメイド医療とか、あるいはpharmacogenomics、これがかなり具体化してきているということをご紹介し、さらに専門領域である創薬といったものとゲノムがどのような関係にあるのか、というあたりをお話させていただきます。ご存じのように、ゲノム全sequenceが完読されました。1953年にワトソン、クリックがdouble helixの構造を発表してちょうど50年後の2003年に終了しました。その中身ですが、まずこのゲノムのデータベースの特性として非常に複雑であります。30億の塩基対ですが、そこに書かれている文字を解読して、要するに生理機能を担っている蛋白質を最終的なユニットと考えますと、それを規定している部分は、10万とか言われていたのがだんだん減ってきて25,000、23,000とか、遺伝子というものの定義自身も大きく変わってきておりますが、少なくとも単純な数としては22,000〜23,000ぐらいの遺伝子がコードされています。究極の個人情報がここに書かれています。一卵性双生児の方々以外に、全く同一のゲノムの配列を持っている可能性はまずあり得ないわけですから、究極の個人認証パラメータでもあるわけです。また、現在、クローン動物が誕生しております。ゲノムさえあれば、全く同一の個体まで発生分化をして、個体ができるということが証明されたわけですから、まさにゲノムは生命の青写真で設計図であります。いろいろな応用が考えられるような基本的データベースが構築されたということかと思います。そして、いわゆるセントラルドグマに沿ってこれまでDNA、 mRNA、蛋白、各レベルの研究がなされてきたわけですが、DNAの総体がゲノムで、 mRNAの総体 transcriptome、蛋白の総体proteomeと、各層で-omeの時代に入り、オミックスという分析も可能になりつつあります。丹念にゲノムをsequenceすれば、SNPを代表とするような遺伝子多型パラメータを使い個人認証ができます。あるいは後ほど述べますDNAチップといったような、いわゆるゲノムの技術、テクノロジーも進歩していますので、それらのもので情報を集めますと、遺伝子の発現のパターンから、例えば癌のプロファイルですとか、いろいろなことに使えます。さらに、非常に活発に研究されているプロテオームの研究、これらを追いかけることによって、病気や、診断・治療に大いに役に立つようなプラットホームができてきたと現在考えられております。病気と遺伝子の関係を考えますと、怪我とか遺伝性疾患といった100%遺伝的要因、あるいは後天的な因子によって発症する、あるいは起こってくるようなイベント以外に、多くの患者さんがお持ちの病気というのは、いわゆる複雑に遺伝的要因と後天的要因が相まって発症します。人類に今残されている、治療に難渋している疾患の多くは、このような複合的な多因子性の疾患であるということがよく言われております。これをいかにして克服するかというのが21世紀の医療の■■■ 病気と遺伝子 ■■■財団法人

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