臨床薬理研究振興財団30年のあゆみ
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(SMO)の出現■■■臨床薬理研究振興財団ー 30周年記念 座談会 薬物治療の進歩と臨床薬理学 ー 30年のあゆみ 43山村 これは薬剤師とかナースが多いんですか。中野 ほぼ半分がナースです。薬剤師の方が3割から4割の間です。あとは検査技師、保健師、栄養士の方です。全く医療の資格を持っていない方も中に入っています。門戸は広げています。■■■治験施設支援機関中野 もう一つ、先程CROの話が出てきたのでSMOについても触れておく必要があると思います。日本の治験環境は非常によくなって、質もすごくよくなったと思います。欧米に非常に遅れているといわれていたけれども、質は追いついてきたと思います。ただ、そのために治験のスピードが落ちたということ海老原 1969年に臨床薬理研究会ができて、初めはしょぼしょぼでしたが、1980年に学会になってから大いに発展してきたわけです。この財団ができたのは1975年で、他では臨床薬理などという名前の財団はなかった時代に、早くから臨床薬理ということに注目して事業展開してきたわけです。その財団が設立されて今年でちょうど30年になり、この間に日本の臨床薬理学の発展に非常に大きな役割を果たしてきたと思われまがあります。そのスピードはSMO(site management organization)、つまり、治験施設支援機関といわれるような、新しいビジネスが日本にも誕生して、クリニックレベルの治験を支援するようになってスピードも上がってきました。つまり、クオリティとスピードは良くなりましたが、三つ目のコストが高いことが日本の問題だと思います。これをどうやって安くできるか。新しいシステム作りを今からしていく必要があると思います。海老原 お話があったように、かつては臨床試験には、非常に限られた人しか参加しませんでしたが、今は、大変一般的になりました。これは治験というものが薬物療法発展のためには不可欠な重要な領域だということが広く認識されてきたためだと思います。CRCをはじめ諸制度ができて、従前に比べ非常にスムーズに治験が行われるようになりました。す。鈴木理事長に本財団の設立の趣旨・経緯などについてお話をいただければありがたいと思います。鈴木 今から30年前、第一製薬の創業60周年記念事業として何をやるかということで、記念事業委員会というのができまして、私もそのメンバーの一人でした。社会還元あるいは従業員に対するインセンティブとか、いろいろなことを含めまして検討した中で、既に何社か財団を持っていたので、うちでもひとつ新しい財団を興して、社会貢献事業の一つとしたらどうかと云う鈴木 氏■■■財団の設立経緯■■■財団法人臨床薬理研究振興財団の設立経緯とその活動

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