当財団は、第一製薬株式会社創業60周年にあたる昭和50年に、企業のビジョン･価値観、企業の持つ専門能力に合致した社会貢献事業として設立し、爾来30年を経て今日を迎えることができました。これひとえに財団の活動を熱心に支えてくださった歴代理事長、理事、評議員をはじめ設立趣旨にご賛同いただき寄付を寄せて戴いた関係会社、個人の方々、そしてまた第一製薬株式会社のご理解ある力強いご支援の賜物とここに財団を代表いたしまして衷心より深く感謝申し上げます。ご高承の如く、今日の臨床薬理学は、いまでこそ、薬物療法の個別化並びに適正化を実現するための実践的な学問領域として地位を確立し、医療へのより一層の貢献が期待されておりますが、当時は学問体系をなしておらず、且つ発展のための援助の少ない領域でもありました。臨床薬理学の必要性の認識と時代の要請に応え「臨床薬理研究を奨励･推進し、臨床薬理学の普及と臨床薬理研究者の育成を図る」ことを目的として設立いたしました。設立以来、毎年多くの臨床薬理研究を目指す研究者を助成し、わが国の臨床薬理学の振興に聊かなりとも貢献してきたと自負しております。この度の財団設立30周年を「新たなスタート」として、臨床薬理学の普及と臨床薬理研究者の育成により一層注力し、わが国の医療および薬物治療の進展に貢献して参る所存です。今後の変わらぬご支援とご協力を心よりお願い申し上げましてご挨拶といたします。財団法人 臨床薬理研究振興財団理事長 鈴木 正はじめに
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